菜々緒 悪女を極める…殺人者役で輝き

 美しく、ミステリアスで、腹の底は黒い-。そんな悪女を演じさせたら極上の輝きを放つ、女優でモデルの菜々緒(27)がブレーク中だ。フジテレビ系ドラマ「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」(火曜、後10・00)では、サブタイトルにもある完全悪女の殺人者・橘カラを好演し、あまりの怖さに視聴者をおびえさせている。さまざまな魔性の女を演じ分ける“悪女女優”の素顔に迫った。参考にしているのは、あの世界的なキャラクターたちという。

 ドラマの撮影後、疲れも見せず朗らかな笑顔で取材部屋にやってきた。ドラマでの鉄面皮とは違い、口調はからりと明るい。身長172センチの長身に股下85センチのスラリと伸びた足。9頭身のスレンダー美女に、悪女役が相次いで舞い込んでいる。

 「最初はどういう反応なのか不安で、心配もありました。でも、やり続けることで『菜々緒の悪女を見たい』と求めていただける、ハマリ役と言っていただけることが増えた。やっててよかったなと思える時間がすごく増えたんです。悪役を極めていきたいですね」

 「サイレーン」での役柄は、標的を狙うシリアルキラーにして整形歴のあるキャバクラ嬢。女優としての出世作となった14年のドラマ「ファースト・クラス」での腹黒毒舌社員や、公開中の映画「グラスホッパー」での悪徳犯罪者とは方向性の違う悪女だ。

 ひとくくりにされることも多いが、演じる悪女のバリエーションは豊富。今作でも細部に魂を込める。犯罪動機が謎の1つにもなっており、何を考えているのか分からない様を表現するため「ロボットや人形っぽい感じで、まばたきを抑えたり、不気味な感じの言い回しや動きを意識」しているという。

 怪演が光り、主演2人を食うほどの存在感。参考にしているのは、ディズニーアニメのヴィランズ(悪役)という。

 「ディズニーって絶対に悪役がいるんです。『101匹わんちゃん』のクルエラだったり、『リトル・マーメイド』のアースラだったり、100人見たら100人が悪役だと分かる。眉毛の動きや言い回し、目線の動きだったり、参考にしてますね」。目の前で眉毛をウネウネと動かし、実演してくれた。「サイレーン」のクランクイン前には映画「ゴーン・ガール」を見るなど、悪女研究への熱量は半端ではない。

 来年1月30日公開の映画「さらば あぶない刑事」では主人公の恋人役。「悪女じゃなくて驚きました」と明かすと、うふふと目尻を下げた。「いい意味で、皆さんを裏切れるお芝居をしていきたい。ハードルは高ければ高いほど、やりがいがあると思えるので」。小悪魔な笑顔で、今後を期待させた。

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