加藤清史郎 海老蔵に負けん!初歌舞伎

 六本木歌舞伎稽古場の加藤清史郎都内
 立ち稽古に真剣な表情でのぞむ加藤清史郎。右は市川海老蔵=都内
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 宮藤官九郎脚本、三池崇史演出による「六本木歌舞伎『地球投五郎宇宙荒事(ちきゅうなげごろううちゅうのあらごと)』」で(3~18日、EXシアター六本木)で歌舞伎に初挑戦する子役の加藤清史郎(13)がこのほどデイリースポーツの取材に応じた。共演は市川海老蔵、中村獅童。強烈な個性のぶつかり合いに「負けないように頑張ります」と決意を語った。

 都内の稽古場。着物姿で現れた清史郎は「帯も自分で締められるようになりました」と笑顔。「こども店長」も中学1年生。変声期で声変わり中とあり、少しかすれぎみの声だ。

 獅童とは三池監督がメガホンをとった11年公開の映画「忍たま乱太郎」(撮影は10年夏)で親子役で共演。初共演となる海老蔵との初対面は強烈な印象だった。

 1月4日。「石川五右衛門」を新橋演舞場で上演中の海老蔵を訪ねた。「緊張した?だって海老蔵さん、白塗りでふんどし一丁だったんですよ」。迫力に押され、緊張の初対面。さらに海老蔵は顔をぬーっと目の前に近づけてきた。「じーっとぼくの目を見るんです。何もしゃべらずに」。海老蔵の“にらみ”に耐えきれず、横にいた獅童に目でSOSを送ったという。

 海老蔵からは「オレは、(本番)5日前しか(稽古)いかないからね。よろしくね」といきなりふっかけられた。しかし、1月14日の(台本)読み合わせが始まると、翌15日には読み合わせの予定が立ち稽古に変わり、迫力満点の本気モードになっていた。

 「海老蔵さんのスイッチがいきなり入っちゃって、流れが止まらなくなっちゃう。お稽古でもアドリブがどんどん入って、セリフも演出も変わる。ぼくはみなさんのオーラに負けないよう、ぶれないようにしないと」。稽古場では「水筒の水を飲むのも緊張する。音を出さないように、とか」と張り詰めた空気の中での“戦い”となっている。

 同作への出演依頼を聞いたのは昨年6月。「ぼくはやったことのないことをやりたくなる、挑戦したくなるタイプ」。不安もあったが、歌舞伎挑戦を決めた。3作目の歌舞伎脚本となる宮藤のプロットには、“加藤清史郎風”と書かれており、歌舞伎初演出の三池監督が「じゃあ本物がいいじゃない!」とオファーしたものだった。

 昨年11月から所作や見得、踊りなど歌舞伎の稽古を週1回のペースで行ってきたとはいえ、伝統と歴史の歌舞伎に挑むのは至難の業。オリジナル脚本ではあるものの、初めてのことに戸惑いも多い。「不安はあります。でも、楽しいんです。おもしろいんです」ときっぱり。「お客さんが喜んでくれてるのが一番の喜び。楽しんでほしい」と少年ぽくなった顔で訴えた。

 【『地球投五郎宇宙荒事』とは】

 映画「スター・ウォーズ」の世界観を歌舞伎に取り込んだ作品。江戸を舞台に正義の味方・地球投五郎(海老蔵)と宇宙船から降り立った悪の親玉・駄足米太夫(だあしべいだゆう=獅童)との戦いが描かれる。清史郎は「市川鯛蔵」「与駄」の二役を演じる。

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