ロバート山本ボクサーデビューへの決意

 26日に東京・後楽園ホールでプロボクサーデビューするお笑いトリオ・ロバートの山本博(36)が12日、東京・渋谷区のイマオカボクシングジムでデイリースポーツの取材に応じ、意気込みを語った。ライセンス失効となる37歳を前に一大決心で挑む夢舞台。フェザー級(57・15キロ以下)4回戦で、ジロリアンりく(フラッシュ赤羽)と対戦する。

 デビュー戦を前に山本の表情は充実していた。当日はロバートを始め、芸能人が応援に駆けつけるといい、「10年ボクシングやってきて初めての試合。試合ができる喜びがでかい。一番は負けないこと」と平常心で初戦に挑む覚悟を示した。

 プロのリングに上がるまでは長い年月を要した。山本は約10年前からボクシングを始め、テレビ朝日系「クイズプレゼンバラエティー Qさま!!」(月曜、後8・00)の企画でプロテストに挑戦。2度目の受験となった08年5月に合格した。

 ライセンスを取得した6年半前にデビュー願望はあったが、芸能活動とボクシングの両立は難しく、断念。9月に36歳の誕生日を迎え、気が付けばプロボクサーのラストイヤーに突入していた。

 「今がラストチャンス。お笑いはまだ続く。60歳になったとき、あの1年、何で頑張らんかったと思いたくない」とリングに上がることを決断。ひたむきに練習に取り組み、周囲の了承も取り付けた。

 お笑いコンビ・南海キャンディーズの「しずちゃん」こと山崎静代(35)が16年リオ五輪を目指しアマチュアのリングで奮闘しているが、芸能人がプロのリングに上がるのは極めて異例だ。タレント・片岡鶴太郎(59)らライセンス取得者はいるが試合はしていない。昨年11月に人気男性デュオ・キマグレンのKUREI(34)がデビューしたが、KO負けを喫した。

 “二刀流”の厳しさは体感している。先月は午前6時から次の日の朝5時まで仕事をこなし、睡眠を削って走る日が何日も続き、ぎっくり腰にもなった。1カ月前に早々と5キロの減量に到達してしまうなどウエイト調整にも苦戦した。両立への中傷もあった。それでも、「自己満足だから」と苦難をすべて乗り越えてきた。

 「ウケるかスベるか」のお笑いでは感じたことのない「応援される強み」を実感した山本。「いい試合をして、いい気持ちで帰ってもらいたい」と激闘を誓っていた。

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