甲斐よしひろ 40年目の「化学反応」

 今年で40周年を迎えたロックバンド「甲斐バンド」のボーカルでメーンソングライターの甲斐よしひろ(61)がこのほど本紙の取材に応じ、アニバーサリーイヤーの締めくくりについて語った。15日に初のフルオーケストラとの公演「甲斐バンド シンフォニー」を東京国際フォーラムで開催。26日には40周年アニバーサリーCD「Blood in the Street/甲斐バンド40th Anniversary tour in 日比谷野音」をリリースする。

 ディープ・パープル、KISS、メタリカらが行ってきたオーケストラとの共演に、甲斐バンドが足を踏み入れる。相手は藤原いくろう(56)指揮の東京ニューシティ管弦楽団で、WOWOWで生中継される。準備に半年以上を費やした甲斐は、手応えを語る。

 「ロック・シンフォニーは、バンドの持っているビートがどういうふうに伝わって、オーケストラがどう乗っかってくるか。ビートの効いた曲だって全然問題ないよ。ビートがあった方が面白い。バンドでやるってのが大事なのよ。バンドも当然誘発されると思う。化学反応だから、こういうのは。壮大なシンフォニーを奏でると思う」

 甲斐バンドは挑戦するロックバンドだ。花園ラグビー場や新宿副都心(現都庁所在地)、両国国技館などをライブで初めて使用。82年にはローリング・ストーンズなど世界最先端のサウンドを作っていたミキサー、ボブ・クリアマウンテンとアルバム「TORIKO」を製作した。

 甲斐は「誰もやったことがないエリア、場所でライブをやるというのが僕らのスローガンみたいになっていた」と振り返る。その挑戦は今も続く。

 40周年ツアーでは、チケットに新曲「Blood-」のマキシシングルを付けるという初の試みを行った。「エッジの効いた歌詞とサウンド。それこそが甲斐バンドのスタイルなので。それがそのままガツンと出てますよね」と言う会心作だ。

 これを親交のある俳優・船越英一郎(54)やテレビ局関係者が聴き、船越主演のテレビ東京系ドラマ「新・刑事吉永誠一」(金曜、後7・58)の主題歌に。甲斐は第2話で、出番は短いが俳優デビューまで果たした。

 「甲斐バンドを面白いと感じてくれる人は、甲斐がそういう年齢になってもどんな表現をやってくれるんだとか、そういうこと(に期待する)。表現する者の至上の喜びは、評価してくれたり聴いてくれる人がいること」

 40年は「目の前の山を全力で登ることの繰り返し」だったという甲斐。今はロック・シンフォニーという山を、全力で登っている。

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