阪神・和田監督の運転手が歌手デビュー

 日本シリーズ進出を決めた阪神タイガース・和田豊監督(52)の専属運転手を務める男性が29日にCDデビューすることが21日、分かった。男性は関連会社でもある阪神タクシーに勤務する清水聖史(きよし)さん(52)。和田監督に報告したところ、「応援するよ!」と全面支援を取り付けた。曲は「飛騨の花嫁/思いでにさようなら」。リーグ2位から下克上を果たした猛虎にあやかり、大ヒットを狙う。

 虎党の夢をつなげた和田監督のバックアップも得て、50歳を超えたタクシー運転手が夢の階段を駆け上がる。

 「運転手から監督に話しかけてはいけない」という決まりがある中、清水さんが和田監督にデビューを伝えたのは5月ごろ。甲子園球場に向かう車中で監督に話しかけられ、「意を決して」伝えると、「応援するよ!紅白歌合戦の出場が決まったらオレも呼んで」と激励の言葉をもらったという。

 デビューのきっかけは、清水さんが通う兵庫県尼崎市の飲食店で編曲家の川村栄二氏(67)と出会ったこと。家族を思って自身が作詞作曲した「飛騨の花嫁」をアカペラで歌ったところ川村氏が気に入り、後押しを受けデビューが決まった。

 清水さんは大阪の高校を卒業後、東京へ。内山田洋とクールファイブの付き人を務めるなど歌手を目指したがあきらめ、30代半ばで関西に戻った。

 さまざまな職を経て2010年に阪神タクシーに入社。兵庫県タクシー協会が開いた接客コンテストでは最優秀賞に選ばれた。賞金の10万円で長女の成人式の着物を作ったとき、家族への感謝を込めて「飛騨の花嫁」を作曲した。

 「それがまさかこんな展開になるとは」と清水さん。阪神タクシーからは「監督専属運転手という本職に支障をきたさない範囲で」という条件で歌手活動を認められた。

 CSファーストS広島戦初戦で勝利した時、和田監督が「お疲れ!」と言って握手してくれた力強さと笑顔が忘れられない。日本一を目指す虎とともに頂点を目指す。

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