美味しんぼ“不味い描写”原発で鼻血?

 発売中の小学館の漫画誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」掲載の人気漫画「美味(おい)しんぼ」の中に、東京電力福島第1原発を訪れた主人公らが原因不明の鼻血を出す場面があり、同誌編集部に「風評被害を助長する内容では」などとする批判が相次いで寄せられていることが29日までに分かった。これに対し、同誌編集部は28日付でホームページにコメントを発表している。

 問題となったのは28日発売の同誌22・23合併号に掲載された「美味しんぼ」の第604話「福島の真実(22)」。

 物語では、主人公の新聞記者・山岡士郎たちが、福島第1原発の取材に行き、その後、鼻血が出たり、ひどい疲労感に襲われる。主人公を診察した医師は「福島の放射線とこの鼻血とは関連づける医学的知見がありません」と話すが、その後会った福島県双葉町の前町長が同様の症状があることを明かし、「福島では同じ症状の人が大勢いますよ」と明かしたところで、終わっている。

 編集部には読者から「風評被害を助長する内容ではないか」などの意見が寄せられたといい、同誌編集部はホームページでコメントを発表。

 「鼻血や疲労感が放射線の影響によるものと断定する意図はありません」とした上で、鼻血や疲労感の描写については「綿密な取材に基づき、作者の表現を尊重して掲載させていただきました。取材先や作者の実体験について、作中登場の実在の医師に見解を問う展開となっております」と説明。同作ではこれまでの連載でも、検査で安全と証明されている食品・食材を無理解で買わない風評被害を批判してきたとし、風評助長の意図はないと主張した。

 「美味しんぼ」は雁屋哲氏原作・花咲アキラ氏作画により、80年代から連載されている長寿人気漫画。原作の雁屋氏は2011年から被災地や福島第1原発の取材を行っており、公式ブログなどにもその体験をつづっている。

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