文枝「寂しい秋…」藤本義一さん一周忌

 昨年10月30日に中皮腫により79歳で死去した直木賞作家でタレントの藤本義一(ふじもと・ぎいち=本名・よしかず)さんの一周忌「蟻君忌(ありんこき)」が30日、大阪市内のホテルで開かれ、生前親交の深かった落語家・桂文枝(70)ら90人が集まり藤本さんをしのんだ。世話人代表を務めた文枝は「今年は寂しい秋です。先生はいないし、日本シリーズに阪神はいないし…」とあいさつするなど、涙と笑いの会となった。

 藤本さんは1985年の阪神リーグ制覇の際に、デイリースポーツ1面の題字も手掛けた熱烈虎党。文枝は1年前の葬儀で「来年の阪神優勝を代わりに僕が見届けます」と誓っていたが、この日のあいさつではまず、「今年は寂しい秋。先生もいないし、日本シリーズに阪神はいないし、ドラフト1位の岩貞君も練習試合に負けるし、マートンは帰ってこないかもしれないし」と藤本さんの遺影に向かって、ふがいない阪神の現状を報告した。

 さらに、藤本さん原作のテレビドラマ「蛍の宿」(88年)で主役の織田作之助を演じた経験を振り返り、「今年はオダサク生誕100周年。先生が生きていらっしゃったら取材も多かったでしょう。僕の妻役は田中裕子さんでしたが、ジュリーの奥さんにキスできたのは先生のおかげ」とユーモアで会場を和ませた。

 「蟻君忌」は藤本さんが好んだ「蟻一匹 炎天下」という言葉にちなんだ。藤本さんの妻の統紀子さん(77)は「この1年は早かった」と振り返り、しんみり。さらに生前、藤本さんが自分の病名が中皮腫だと知っていたことを明かし、「原因は大震災か、撮影所か、何かわからない。いつか究明できれば」と苦しい胸の内も明かしていた。

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