盟友・串田「あまりに大きすぎた人」
歌舞伎俳優の中村勘三郎さんが5日、急性呼吸窮迫症候群のため57歳で死去した。
勘三郎さんの最後の舞台出演となったのは今年7月18日。長野・まつもと市民芸術館で上演されたまつもと大歌舞伎「天日坊」の千秋楽の最後のシーンに急きょ、木曽義仲の役で出演した。
勘三郎さんとコクーン歌舞伎でタッグを組むなど盟友的な存在だった演出家で同館芸術監督の串田和美氏は「本当にショックです。心の整理がつきません」とコメント。7月17日に同館で公演を見ながら「将来のことや、若い人たちのこと、これから一緒につくりたいと思っている作品のことなど」をゆっくり話したのが最後だった。
手術前「どんな手を使っても治るからな」と語った勘三郎さんだが、串田氏が見舞った時は「もう話ができない状態」だった。串田氏は「あまりに大きすぎた人」と、早すぎる死を惜しんだ。