下家秀琉がツアー初V 最終日に爆発!1打差デッドヒート制した 思い出の地で歓喜「率直にうれしい」

 初優勝し、仲間から水をかけられ喜ぶ下家秀琉(撮影・畦地巧輝)
 17番で第2打を放つ下家
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 「男子ゴルフ・バンテリン東海クラシック・最終日」(5日、三好CC=パー71)

 23歳の下家秀琉(しもけ・すぐる)=ELECOM=が1イーグル、7バーディー、2ボギーの64で回り、通算17アンダーで、第2日からの首位を守ってツアー初優勝を果たした。1打差の2位に安森一貴(27)=フリー。3打差の3位に今平周吾が入った。通算11アンダーの4位は蟬川泰果と細野勇策だった。

 最後の力を振り絞って、残り164ヤードのラフから8番アイアンを振り抜いた。ボールはグリーン手前に広がる池を越え、ピンの10メートル左にオン。満面の笑みを浮かべた下家はグータッチをキャディーと交わした。1打差でデッドヒートを繰り広げた安森とともに18番はパー。昨年、幡地隆寛が出した大会記録と同じ17アンダーで、ツアー初優勝を果たした。

 「率直にうれしい。今週はショットが良くて、しっかりと振ることができた。バンテリン東海はベストアマも取っているし、ツアー初出場もここ。ティーショットが立ちやすくて、すごく好き」。ゆったりとした独特の話し方で、初優勝の味をかみしめた。

 ツアー優勝どころか、最終日最終組も初めて。前半は3連続を含む6バーディーでスコアを伸ばし、後半のハーフも1イーグル、2バーディー、1ボギー。最終日にベストスコアの64をマークする爆発力で、追いかける安森をねじ伏せた。

 大阪府枚方市出身の23歳。ゆったりとしたリズムのスイングで果敢に攻めるゴルフが身上だ。その真骨頂が「少しでも安森さんにプレッシャーをかけたくて、勇気をもって打った」という18番の第2打だった。池を怖がらず、ピンを目がけて攻め、優勝をたぐり寄せた。

 昨季レギュラーツアーにデビューし、シードを獲得。リスクを取って攻めていくゴルフで、今季はツアー初優勝を含めてベスト10以内が3度ある。今季はツアー初優勝選手が下家を含めて9人。1981年、97年に並ぶ最多記録となった。優勝者には下家、金子、長野ら20代前半の選手もいる。

 誰が勝つのか予想不能なほど実力が拮抗(きっこう)している証拠だ。男子ツアーもいよいよ、活況を呈してきた。

 ◇下家秀琉(しもけ・すぐる)2002年2月23日、大阪府枚方市出身。2人の兄の影響を受け5歳でゴルフを始めた。大院大高から大院大に進み、23年のアジアパシフィックアマチュア選手権に日本代表として出場し、同年11月にプロ転向。実質的なプロ1年目の24年は賞金ランキング62位でシードを獲得したほか、下部ツアーで1勝を挙げた。好きな選手は岩田寛。2人の兄はともにプロ。180センチ、85キロ。

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