山下美夢有 海外メジャー初V!渋野歓喜から6年、日本女子6人目 日本時代と同じ緻密さで快挙達成

 18番でウイニングパットを沈め、感極まる山下(共同)
 AIG全英女子オープンを制し、西郷真央(左)、古江彩佳(右)らの祝福を受ける山下美夢有(共同)
 トロフィーにキスする山下(共同)
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 「女子ゴルフ・AIG全英女子オープン・最終日」(3日、ロイヤルポースコールGC=パー72)

 単独トップから出た山下美夢有(24)=花王=が3バーディー、1ボギーの70で回り、通算11アンダーで米ツアー初優勝をメジャー制覇で飾った。賞金146万2500ドル(約2億1500万円)を手にした。日本女子のメジャー制覇は、4月のシェブロン選手権で勝った西郷真央に次いで6人目(7度目)。メジャー昇格後の全英を制したのは6年前の渋野日向子以来2人目となった。勝みなみは69と伸ばし、通算9アンダーで2位に食い込み、竹田麗央がさらに2打差の4位に入った。

 短いウイニングパットを決めると、表情が感極まったように一変した。身長150センチの小柄な体を震わせながら、山下は女王の称号を全身で受け止めた。米ツアー初勝利をメジャーで成し遂げた。「最終ホールまで緊張した。あのパットを入れて、優勝したという気持ちになった」。2日に誕生日を迎えたばかりの24歳は強かった。

 信じて磨き上げた緻密なゴルフはぶれなかった。2番で同じ最終組の金阿林(韓国)にスコアで並ばれたが、すぐリードを取り戻した。金阿林がボギーだった3番で、山下は3打目で絶妙な寄せを見せてパー。パー5の6番のティーショットはバンカーを避けるためアイアンを握った。2打目も刻んで3オンし、堅実にパーを重ねた。ボギーは17番だけで、一度も首位を明け渡さなかった。

 首位で迎えた第3ラウンドでショットが乱れ、苦戦した。終了後、コーチを務める父・勝臣さん(50)と練習場で調整し、宿舎で未明まで素振りもした。最終ラウンド前の練習でぶれていた体の軸を修正し、復調につなげた。

 パワーヒッターが多い米ツアーで、ひときわ小柄。今季のドライバー平均飛距離は146位でトップと40ヤード以上も差がある。それでもボギーなしのラウンド数や、パーオンできなかった場合にパー以上で終える率は1位だ。体格で上回る外国勢のようなパワーを得ようとする日本選手も多いが、勝臣さんは「日本(ツアー時代)から変えていることはない」と、きっぱり言った。

 日本ツアーで2023年まで2年連続で年間女王に輝き、今年米ツアーに本格参戦した。ショットと小技の緻密さを生かして快挙を達成。「そこまで飛距離は求めないコースだと思っていた。安定したゴルフが優勝につながって良かった」。強風が吹き荒れ、フェアウエーが狭いリンクスで真価を発揮した。山下美夢有、24歳。英西部ウェールズで、世界の頂にたどり着いた。

 ◇山下美夢有(やました・みゆう)2001年8月2日、大阪府出身。5歳でゴルフを始め、大阪桐蔭高に進学した。19年にプロテストに合格した。21年にプロ初勝利。22年に5勝を重ね、日本ツアーの年間女王に初めて輝いた。23年も5勝で年間女王。昨年はメジャーの全米女子プロ選手権で2位、パリ五輪で4位。今年から米ツアーを主戦場としている。150センチ、52キロ。

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