竹田麗央 逆転初V 熊本地震から8年 地元でつかんだ「熊本のみなさまの前で(優勝)できてうれしい」

 「女子ゴルフ・KKT杯バンテリン・レディース・最終日」(14日、熊本空港CC=パー72)

 首位と3打差の3位から出た竹田麗央(りお、21)=ヤマエグループHD=が3バーディー、1ボギーの70で回り、通算7アンダーとして逆転でのツアー初優勝を飾った。熊本県出身で、14日は2016年に熊本地震が発生して8年。1993、94年の賞金女王・平瀬真由美(54)を叔母に持つ逸材が、地元で待望の勝利をつかんだ。

 泣かない初優勝。大きな被害が出た地震から、ちょうど8年がたった熊本に、歓喜の拍手と声援が響き渡った。なかなかつかめなかった初優勝を、竹田が思い出の多い大会で手にした。

 「子供の時から観戦してきた大会で、まさか自分が優勝できるなんて思っていなかった。すごくびっくりしています。熊本のみなさまの前で初優勝することができてうれしい」

 3打差からの鮮やかな逆転劇だった。最大のピンチは、13番で首位の岩井明を逆転した後の15番パー4。3打目もグリーンを外すピンチを招いたが、ラフからの10ヤードをチップインするスーパーパーセーブで勝利を呼び寄せた。以前は弱点だった小技を、オフは最優先で猛練習。成果を見事に結果で表し「パーが拾える自分になった」と笑った。

 ゴルフを始めた小学1年時に、同じ熊本出身の古閑美保から会場でレッスンを受けて以来、毎年観戦した試合。自宅はコースから車で20分の合志市内で、地震が起こった16年大会は中止となったが「ギャラリー整理のボランティアをする予定で、その準備をしていた。すごく怖かったのを覚えています」という。

 2人の“女王”も勝利を後押しした。まずは元賞金女王の叔母、平瀬真由美だ。「9日に家で会って『勝ちにいっても取れないから。優勝は自然と来るから』って言われたんです」。今季、これまで3度あった最終日最終組では、いつも「気持ちが強すぎてダメだった」といい「今日は優勝を考えず、絶対に思い切ってやるって決めていた」と打ち明けた。

 もう一人は2015、16年の賞金女王で、昨季限りで日本ツアーを離れたイ・ボミ(韓国)。「昨日の夜、メッセージをいただいたんです。これまでは誕生祝いぐらいだったけど、ゴルフに関わることは初めて。『自分を信じて』って」。幼い頃から憧れてきた存在だけに、その言葉が竹田の心を支えた。

 12番以降は全てパー。スコアだけ見ると派手な逆転劇ではないが、さまざまな思いと要素の詰まった初勝利になった。「早く2勝目ができるように頑張ります。3年後ぐらいには米国に挑戦したい」という世界進出への思いが、さらに周囲を元気づけた。

 ◆竹田麗央(たけだ・りお)2003年4月2日、熊本県合志市出身。プロの母・哲子の影響で、6歳のときにゴルフを始めた。熊本国府高1年の19年に九州ジュニア選手権などを制し、21年10月の日本女子オープン選手権は7位でローアマに輝いた。同年11月のプロテストに一発合格すると、23年はメルセデスランキング22位で初シードを手にした。叔母は1993、94年の賞金女王・平瀬真由美。趣味は野球観戦で、オリックス・山下舜平大のファン。得意クラブは1W。166センチ、66キロ。

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