阿部未悠 うれし涙の初優勝 思い出した“推し”の言葉 不振脱却4連続バーディー決めた

 ツアー初優勝を決め、表彰式で花びらを浴びる阿部未悠
 ツアー初優勝を決め、最後まで競り合った佐久間朱莉(右)と抱き合う阿部未悠
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 「女子ゴルフ・富士フイルム・スタジオアリス女子・最終日」(7日、石坂GC=パー72)

 首位から出た阿部未悠(23)=ミネベアミツミ=が8バーディー、1ボギーで大会コースレコードの65をマーク。大会新記録の通算15アンダーで、ツアー初優勝を果たした。昨季終盤から続く不振に、一度はゴルフへのモチベーションを見失いかけたが、“推し”と慕うソフトバンク・甲斐拓也捕手の言葉を思い出し、3日間を楽しんでプレーした先に初の栄光をつかんだ。同じく首位から出た佐久間朱莉は1打及ばず惜敗に涙。蛭田みな美、イ・ミニョン(韓国)が3打差の3位に入った。

 最後まで楽しんだ54ホールの先の栄冠に、思わずうれし涙があふれた。阿部は11番パー4で、5打目の7メートルを沈めてナイスボギーとすると、14番から怒濤(どとう)の4連続バーディーで佐久間との一騎打ちを制し、悲願の初優勝。心の中では、ある感情をずっと心がけていたことを優勝スピーチで明かした。

 「今季は調子も上がらない中で、もどかしいゴルフが続いていた。この3日間だけはすごく“楽しんで”ゴルフをしようと思っていた」

 初優勝に近い存在とされながら昨季終盤からの不振が続き、今シーズンも開幕5戦で2度の予選落ち。いつしかゴルフへのモチベーションを見失っていた。だが、今大会前にふと“推し”との時間を思い出した。

 オフは知人を介して、ソフトバンクの甲斐と自主トレを敢行。中高時代は福岡へ留学していたこともあり、“甲斐キャノン”こと鷹の扇の要は大ファンだった。「今どきの言葉で言うと、推しと会える世界線ってあるんだって」と最初は大感激だった。

 だが、同じ時間を過ごす間に甲斐は「今年は野球を楽しもう」と言っていた。その言葉をゴルフに置き換えると「好きを職業にできることはほとんどない。それをできているだけで幸せだなって」と自身に突き刺さった。

 ゴルフを心から楽しめたからこそ、緊張の18番のウイニングパットも思い切って打てた。「今日1日ずっと楽しんでやってきたんだから、最後まで楽しんだら良い結果が付いてくる」。原点回帰でつかんだツアー初勝利だ。

 ◇阿部未悠(あべ・みゆう)2000年9月27日生まれ。北海道恵庭市出身。ミネベアミツミ所属。10歳からゴルフを始め、小学校卒業後、中学から福岡の学校に進み、高校1年時に九州高等学校ゴルフ選手権新人戦で優勝した。21年6月にプロテスト合格、22年はメルセデスランキング44位で初シードを獲得。古江彩佳、西村優菜、吉田優利らの“プラチナ世代”。趣味はカメラで被写体は主に野生動物。“ネーチャー系カメラマン”を自称する。155センチ。

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