中島啓太 涙の金谷超え!死闘&PO制しプロ転向後初V「ばちばちの優勝争いできた」

 「男子ゴルフ・ASO飯塚チャレンジド・最終日」(11日、麻生飯塚GC=パー72)

 3打差の2位から出た中島啓太(22)=フリー=が2022年のプロ転向後初優勝を逆転で飾った。1イーグル、6バーディー、1ボギーの65で回り、通算29アンダーの259で並んだ前週優勝の金谷拓実とのプレーオフ2ホール目にバーディーを奪って制した。中島は21年にアマチュア優勝しており、通算2勝目。賞金2千万円を獲得した。通算22アンダーの岡村了が3位、幡地隆寛が4位、平田憲聖が5位だった。

 何度も敗れてきた盟友をプレーオフでついに破った。デッドヒートを制し、念願のプロ転向後初優勝を飾ると、中島は涙を浮かべて金谷と抱き合った。日体大3年だった21年9月のパナソニックオープン以来となるツアー2勝目。「ずっと背中を追いかけてきた。興奮の度合いも高く、もっと長い時間、戦っていたかった」と余韻に浸った。

 まさに死闘だった。首位金谷と3打差からスタートした中島は、1番パー5でいきなりイーグルを奪取。9番のバーディーで金谷を捉えると、12番のバーディーで単独トップに立った。14番で追い付かれるも15番のバーディーで再び一歩前に出た。このまま逃げ切れるか…と思いきや、17番パー5で落とし穴が待っていた。

 フェアウエーからの2打目が大きく左に曲がり、林の中へ。切り株付近からの3打目はグリーンを捉えることができず、2パットで今大会初のボギー。このホールをバーディーとした金谷に一気に抜かれてしまった。

 ただ最後まで諦めることはなかった。「少し動揺したが、切り替えられた」という最終の18番パー4。入れるしかない4メートルのバーディーパットを見事に沈め、プレーオフに持ち込んだ。18番で行われたプレーオフ1ホール目はともにパー。そして2ホール目。右ラフからの残り164ヤードの第2打は、30センチにぴたりとつけるスーパーショット。ウイニングパットを打つ前には「金谷さんとばちばちの優勝争いができた」と感情がこみ上げ涙目に。抱擁した際に「すごく良かったよ」と声をかけられ、涙がこぼれた。

 中学3年だった2015年、どちらが勝っても最年少優勝だった日本アマチュア選手権で2学年上の金谷に負けた。ナショナルチームでも同僚で高め合ってきた間柄だ。前週も屈して2週連続の2位となり、リベンジに燃えていた。

 3週続けて最終日最終組で一緒に回り「1打への集中力がすごい」と感嘆しながらも食らい付く。ようやく先輩を超えたが「まだ追い付いていない。常に目標にして頑張りたい」と満足した様子はなかった。

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