穴井詩「夢みたい」19年以来の4勝目 まだまだ満足せず「欲望しかないです」

 「女子ゴルフ・ヤマハレディース葛城・最終日」(2日、葛城GC山名C=パー72)

 プロ16年目の穴井詩(35)=GOLF5=とささきしょうこが通算9アンダーでトップに並び、18番パー5を使ったプレーオフ2ホール目で、穴井がバーディーを奪って優勝を決めた。穴井は今季初勝利で2019年NEC軽井沢72以来の通算4勝目。山下美夢有は通算8アンダーの3位にとどまり、今季初優勝はならなかった。

 カップの左奥1・5メートルのウイニングパットを沈め、穴井は右の拳を2度力強く振った。難コースの葛城で待ちに待った4勝目を手にし「夢みたい。本当にうれしい。我慢していればチャンスが来ると思っていた」と誇らしげな笑みを浮かべた。

 通算7アンダー5位からスタート。硬くて速いグリーンと風で難度が上がる状況で4バーディー、2ボギーの70をマーク。最終18番で3打目のアプローチを50センチに寄せてバーディーを奪い、プレーオフに進んだ。

 前回の優勝から3年8カ月ぶりの勝利を引き寄せた原動力は「もっとうまくなりたい」というゴルフへの情熱だった。昨年ドライビングディスタンス1位の飛ばし屋が、今季は飛距離よりもコントロール重視に方向転換。具体的にはスイング力感のコントロールとアドレス姿勢の改善に取り組んだ。「以前は必要ないときにも思い切り振っていたけど、それを抑えるようにした。アドレスでは背筋を伸ばすように心がけ、テイクバックがスムーズに上がるようになった」と解説した。

 今季第5戦で早々と優勝を果たしたことで次なる目標も見えてきた。「複数回優勝したことがないので、あと1勝したい。メジャーも勝ちたいし、賞金1億円も達成したい。欲望しかないです」。実力派が若手の台頭に待ったをかける。

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