19歳・川崎春花 地元京都で秋に満開「笑顔になっちゃいます」大逆転Vで新ヒロイン誕生

 プロ初優勝を果たし喜ぶ川崎春花(撮影・北村雅宏)
18番、ティーショットを打つ川崎春花(撮影・北村雅宏)
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 「女子ゴルフ・日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯・最終日」(11日、城陽CC=パー72)

 ニューヒロインが誕生した。4打差4位から出たルーキーの川崎春花(19)=フリー=が1イーグル、6バーディーの64でスコアを八つ伸ばして通算16アンダーとし、逆転でツアー初優勝となるメジャー制覇を果たした。19歳133日での優勝は大会最年少で、メジャーV記録としても史上3番目の若さ。京都で初めて開催されたツアー大会を地元出身選手が制した。首位からメジャー2連勝を狙った山下美夢有は13アンダーで3打差の2位に終わった。

 誰がこの爆発を予想できただろうか。川崎が突如、目を覚ました。8番パー4、残り120ヤードの第2打。ピッチングウエッジで「若干ダフった」と苦笑いで振り返ったボールはピン手前に落ち、スルスルと転がってカップに吸い込まれた。

 キャディーと手を合わせて控えめにイーグルを喜ぶと、その後は手をつけられない強さを発揮した。12番で第3打を50センチにつけてバーディーを奪うと、続く13番は2・5メートル、14番は1・5メートルを沈めて13アンダーに伸ばし、首位の森田をとらえた。続く15番は5メートルを決めて4連続。一気に単独首位に浮上した。

 さらに17番パー4で1・5メートルにつけてバーディーを奪うと、極めつけは難しい最後の18番パー4。右ラフからの第2打はピン奥8メートルについたが、下りのパットがカップに吸い込まれて16アンダーに。「入ってびっくりした。鳥肌が立った」。自分のプレーに身震いすると、一つ後ろの最終組で2位の山下とは3打差に。「これで優勝できたと思った」と確信した。

 大きなカップを手にしても「全然信じられない。実感は湧かない。表彰式が終わって『優勝したんだ』と少し思った」と初々しい。ルーキーイヤーの今季はこの試合までレギュラーツアー10戦中、予選落ち6度と「思い描いたゴルフができなくて苦しかった」。

 7月になると持病の腰痛が再発した。下部ツアーでも棄権を経験するなどどん底だったが、コンディショニングジムでのトレーニングやケアで体を作り直し、腰への負担が少ない高校時代のスイングに戻した。すると8月末に下部ツアーの山陰ご縁むす美レディースで優勝。ここから「攻めるゴルフに変えてよくなった」と本来の自分を取り戻した。

 今回の城陽CCで行われた昨年11月のプロテストは2日目に76をたたき、20位タイ以内の合格圏を外れる35位へ。涙ながらにアプローチやパッティングを練習し、最終的には12位で合格した。それから10カ月。プロ11戦目で優勝しても涙はない。「笑顔になっちゃいます」。そう言ってまた、ニューヒロインがはにかんだ。

 ◆川崎春花(かわさき・はるか)2003年5月1日生まれ。京都市出身。7歳から父と姉の影響でゴルフを始め、10歳頃まで吉川なよ子プロに師事。大阪学院大高では19年に全国高校選手権団体優勝。20年関西高校選手権は個人、団体優勝。21年日本女子オープン11位。同年11月のプロテストに合格し、今年8月末の下部ステップアップツアー、山陰ご縁むす美レディースで優勝。家族は父・太郎さん(55)、母・雅子さん(53)、姉・風花さん(22)。好きな色はピンク。158センチ、51キロ。血液型A。

 ◆2003年度生まれの女子プロ優勝一番乗り 昨年11月のプロテストに合格した21人のうち03年度生まれは尾関彩美悠、佐藤心結、竹田麗央、小林夢果、桜井心那と川崎春花の6人。そのうち川崎が優勝一番乗りとなった。同学年はほかにアマチュアの梶谷翼、吉田鈴らがいる。

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