松山英樹 充実の一年 マスターズV「帰りの飛行機で涙が出た」 「(今後の五輪)誰かに任せたい」

 4月のマスターズ・トーナメントで日本男子初のメジャー王者となったゴルフの松山英樹(29)=LEXUS=が充実の1年を振り返った。東京五輪はプレーオフでメダルを逃したが、日本で開催された10月のZOZOチャンピオンシップでは見事に凱旋優勝。台頭する若手へのエール、そしてマスターズ連覇への思いなどを熱く語った。

 ◇  ◇

 -悲願を成就した。

 「今まで、感動したとそこまで言ってもらえたことはなかなかない。テレビ解説の中嶋(常幸)さんが泣かれたことを思い出して(日本への)帰りの飛行機で涙が出た」

 -最終日は我慢のゴルフで1打差の逃げ切り。

 「正直、勝てなくても仕方ないじゃんとも思った。でも7、8、9番でこの(メジャー初勝利に挑む)苦しさを日本の後輩には経験させたくない、伝染させたら駄目だと思ったら覚悟が決まった」

 -右に曲げるフェード依存から脱却した。

 「(逆のドローと)どっちも打てないといけない。以前は自分にうそをついているような感じだった。2打差の17番で理想とするドローが打てたのが一番うれしかった」

 -マスターズ2連覇と他のメジャー勝利ではどちらに目がいくか。

 「どっちもある。ある人に(優勝カップで)お酒を飲もうよと言われている。(マスターズ優勝の証し)グリーンジャケットではお酒は飲めないので」

 -マスターズ2連覇は2001、02年のウッズ(米国)ら3人だけ。

 「並大抵なことではできない。でも挑戦する権利があるのは僕だけ。(その現実を)しっかりかみしめていきたい。(新型コロナウイルス禍で)まだ会いたい人に会えて(報告して)いない。家族に『もう一度取っちゃえば』って言われ、そんな簡単に言うなよって。でも優勝すればそういうことができるなという思いはある」

 -歴代マスターズ王者が集う大会前のチャンピオンズ・ディナーのメニューを決める立場。

 「すしが好きという人が多い。日本の代表的なすしと和牛をメインでやっていきたいと思う」

 -勝ったことで他のメジャーが楽になるか。

 「それはない。コースセッティングも重圧も違う。(その状況で)自分がどうなるか楽しみ」

 -酷暑の東京五輪は。

 「熱中症で、初日のバックナインは記憶にないぐらい。水をかぶってなきゃ自分が自分じゃなくなる感じがあった。マスターズを勝ってゴルフが注目を浴びている中、しんどいだけで途中棄権しちゃいけないと思った。(メダルを)取りたかったし、すごく大事だったと思うけど、あれ(プレーオフで敗れ4位)以上は出せなかった。それぐらい必死でやっていた」

 -今後の五輪は。

 「英樹しかいないと言われたらそうだよなと思う部分もあるけど、誰かに任せたい。メジャーでは一つ達成することができたから、下(次世代)に受け渡したいなと」

 -アマチュアでツアー優勝した金谷拓実、中島啓太ら後輩への期待は。

 「僕の後をたどってほしくない。僕は僕でしかないし、彼らは彼ら。自分の道をしっかりと歩んで、その後ろにファンがいることを忘れないでほしい。僕はメディア対応がうまくない。それを超越した人になってほしい。(自分も)試合の後は頭に血が上ってできないかもしれないけど、冷静にしゃべろうと思っている」

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