稲見萌寧が賞金女王 最後の最後まで古江と大接戦逃げ切った!最高の一年「やり切った」

 「女子ゴルフ・ツアー選手権リコー杯・最終日」(28日、宮崎CC=パー72)

 賞金ランキング1位の稲見萌寧(22)=都築電気=が15位から出て73で回り、通算イーブンパーの9位で初の賞金女王に輝いた。古江彩佳(21)=富士通=は72と伸ばせず、6アンダーの3位で賞金ランキング2位からの逆転はならなかった。ポイント制によるシーズン最優秀選手賞は古江が初獲得した。三ケ島かな(25)=ランテック=が11アンダーで史上2人目となる最終戦でのツアー初優勝を飾った。

 最後は人事を尽くして天命を待った。賞金女王決定の瞬間、稲見はクラブハウス前にいた。古江のホールアウトをモニターで見届けると満面の笑み。キャディーを務めた奥嶋誠昭コーチの泣き顔を見ると、自身の目にも涙があふれ出た。

 五輪銀メダルに続き、名誉ある賞金女王の称号も得た。「泣くつもりはなかったけど、本当に喜んでくれた。恩返しというか、助けてもらったし、それに応えることができて良かった」と喜びを分かち合った。

 18年7月プロテスト合格で、初のシーズンフル参戦だった。当初の目標は毎年1勝だったが、想定をはるかに上回る今季9勝、今年だけで8勝と大躍進。それでも「今年2回は心が折れた」と告白する。

 最初は4打差の単独首位で出ながら逆転負けした6月の宮里藍サントリー・レディース。翌々週から2戦連続予選落ちと引きずった。次が10月の腰痛発症だ。マスターズGCレディース最終日は涙の棄権。歩けないほどの痛みに「もう賞金女王はあきらめる覚悟」という重い決断だった。

 立ち直った要因は練習だった。「一番は成績を出すこと。負けたり、心が折れたりした時こそ練習した」。2週前の伊藤園レディースは痛み止めを飲みながら節目の通算10勝目を挙げた。「くじけた後に勝てているので、何とか持ちこたえて頑張ろうという気持ちになれた」と振り返る。

 年間複数回優勝、国内メジャー制覇と掲げていた目標を次々とクリア。52試合の長丁場で歴代2位、日本選手最高の平均ストローク70・0514も達成した。「一番はやり切った感、やっと終わったという感じが強い」。オフに特別な予定はない。

 「トレーニングと練習でさらにパワーアップしたい。最強のプロゴルファーになれるように極めていきたい」。負けず嫌いの練習の虫が、来季以降も大目標の永久シード30勝を目指して走り続ける。

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