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【綾子の視線】悩みを断捨離…渋野さんの「捨てた」は案外いい言葉なのかも

渋野日向子
2枚

 「女子ゴルフ・全米女子オープン・第2日」(11日、チャンピオンズGC=パー71)

 首位と1打差の2位から出た渋野日向子(22)=サントリー=がジャックラビットCを6バーディー、2ボギーの67で回り通算7アンダー、後続に3打差をつけて単独首位に立った。1987年大会でプレーオフの末に日本勢過去最高の2位となった岡本綾子氏(デイリースポーツ評論家)が、昨年の全英女子オープンに続くメジャー制覇に期待を懸けた。

  ◇  ◇

 不調だ、不調だ、と言われてきた渋野さんが全米女子オープンの単独トップに立つなんて、いったい誰が想像したでしょうか。私も素直に驚きました。でも、やっぱりうれしいものです。

 ショットからパットまですべて安定していて、予選2日間のプレーは文句のつけようがありません。昨年の全英はあれよ、あれよという間に優勝し、ラッキーの部分が大きかった感じ。でも今回は実力が付いてきた過程にあるという印象で、この活躍は純粋に「すごい」と思う。全英覇者として海外メディアからも注目される中で、このプレー、このスコア、ですから。

 プレーとは別に印象に残ったのが、ラウンド後のテレビインタビュー。好調の要因を問われ「今までの自分を捨てたこと」と話すのを聞いて、「『捨てる』なんてネガティブな言葉を簡単に使うんだ」って、“昭和の女”の私としては驚いてしまいました。

 でも、思い悩んできたことを一度リセットして、断捨離して悩みを払しょくする。「捨てる」という言葉は、案外いい言葉なのかもしれない。彼女も「捨てた」と口にしたことで、気分が晴れたんじゃないかな。また、言いたいことを言える渋野さんが戻ってきた、ということでもある。アスリートはやはり、結果がすべて。いい数字を出せば、話す言葉にも説得力が出ます。

 さあ、勝負の決勝ラウンド。渋野さんは3打のリードを持って臨みますが、優勝するにはスコアを伸ばしていく意識が不可欠でしょう。ショットがいいんだから積極的に攻めていった方がいい。そもそも私の中で、ゴルフに「守り」という言葉はありません。リードを「守る」なんて意識は、それこそ「捨てて」もらいたい。ゴルフは水ものですから、どういう結果になるかは分かりません。とはいえやはり、果報を期待してしまいます。

 話は変わりますが、今大会には過去最多となる日本勢19人が出場しました。私が全米女子オープンのテレビ解説をするようになって10年はたちますが、ずっと「日本選手がこぞって出場する時代が来てほしい」と話していたんです。ですから、個人的にちょっとした満足感があります。

 43年前に樋口さんが全米女子プロを勝ち、私を含め何人かの日本選手が海を渡ってプレーするなど、絶えず誰かがパイロットとして日本ゴルフ界をナビゲートしてきました。今やゴルフはプロフェッショナル競技として開け、米ツアーに行かなくても、日本ツアーで頑張れば世界ランキングを上げて全米女子オープンにだって出場できます。女性アスリートとしての地位も確立されましたし、オリンピック競技としても多くの注目を集めています。いい時代になって、本当に良かったと思います。

 でも…私は生まれ変わったらもうゴルフをやりたくありません。いろいろと苦労しましたから(笑)。

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