渋野日向子が復活V 4選手PO制し1年11カ月ぶり勝利に涙 新スイングに手応え

 プレーオフを制して優勝し、笑顔でポーズをとる渋野日向子
 1年11カ月ぶりの優勝に涙する渋野日向子
 3番でバンカーショットを放つ渋野日向子
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 「女子ゴルフ・スタンレー・レディース・最終日」(10日、東名CC=パー72)

 通算10アンダーでフィニッシュした4選手によるプレーオフとなり、2ホール連続でバーディーを奪った渋野日向子(22)=サントリー=が優勝した。2019年11月の大王製紙エリエール・レディース以来、1年11カ月ぶりのツアー通算5勝目で、米ツアー進出への自信をつける価値ある1勝となった。ペ・ソンウ(韓国)、木村彩子、18歳でアマチュアの佐藤心結(みゆ、茨城・明秀学園日立高3年)が2位。大会連覇を狙った稲見萌寧は8位だった。

 なくしていた自信を取り戻し、新たな自信を植え付ける優勝だ。勝利が決まった瞬間、渋野は両手で顔を覆って泣いた。

 10番でボギーをたたき、続く11番パー5で第3打をピンそば50センチにつける“お先”バーディーでバウンスバック。「あそこでギアを上げました。ここまで来たら、いかないと後々悔いが残るって」。13、14番は連続バーディー。15番でバンカーからボギーとしたが、そこから“本気の渋野”の本領を発揮した。

 16番はグリーン右奥カラーからの10ヤードを「入れにいきました」と58度ウエッジでチップイン。首位に1打差で迎えた最終18番パー5第3打は残り95ヤードを52度ウエッジで攻めて、左1メートルにつけた。

 19年7月資生堂レディース以来の2度目のプレーオフに進むと、同じ18番での1ホール目は88ヤードを54度でピンそば10センチにつけ、2ホール目は108ヤードを46度ウエッジで1メートル半に。今年3月から導入した4本ウエッジ態勢の4本が見事に活躍したバーディー締めの逆転V実現だった。

 「今年初めから取り組んだスイング改造(について)、いろいろ批判される声がいやでも耳に入ってきた。それでも、このスイングで優勝して絶対に見返してやると思ってきた。ドライバーショットが安定して飛距離も出て、練習してきたウエッジショットが生かせるようになった。やってきたことは間違っていないと確信できた」

 涙の裏には2人の恩人への感謝もあった。以前の所属会社だったRSK山陽放送の桑田茂社長。「4月に亡くなって…。高校時代からずっと笑顔で応援してくださった、かけがえのない存在だったんです」。もう一人は一昨秋から専属マネジャー兼通訳として海外ツアーにも同行する田谷美香子さん。この日が32歳の誕生日だった。

 「時にはキャディーもしてもらって、ご飯も炊いてもらって、今は家族よりも一緒にいる存在。『誕生日プレゼントはスタンレー・レディースでの優勝ね』って言われていて…。有言実行できました」。12月の米ツアー最終予選会に向け、何より大きな価値ある今季初勝利だった。

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