【綾子の視線】自然体に見えるのが一番いいところ

 「米女子ゴルフ・ANAインスピレーション・第1日」(10日、ミッションヒルズCC=パー72)

 “シブコスマイル”が帰ってきた。渋野日向子(21)=サントリー=が4バーディー、2ボギーの2アンダー70、首位と4打差の19位と好発進。「攻めの気持ちを忘れていた。今年一番のゴルフができた」と笑みをこぼした。今季初の予選通過はおろか、昨年のAIG全英女子オープンに続くメジャー大会2勝目へ、視界は良好だ。デイリースポーツ評論家の岡本綾子氏(69)が初日を振り返る。

 ◇ ◇

 日本から行っている選手がいいスコアを出すのは、何とも気分がいいものですね。彼女たちのゴルフを自分のこととし、ゲームの中に喜怒哀楽を感じる。テレビの前のファンはいつもそうやって見ているのでしょう。よく「アスリートの活躍が元気をくれる」という話を聞きますが、本当にその通りなんだなと初めて実感したように思います。

 渋野さんは初日の2アンダーで肩の荷が下りたんじゃないかな。これでやっと自分を取り戻せると思う。6月のアースモンダミン・カップの時と比べるとスイングが良くなりました。アドレスが“普通”になったというか、自然体に見えるのが一番いいところ。懐が広くなって、これならバックスイングの始動がしやすいし、ヘッドが外に抜けることもない。バランス良く最後まで振り切れています。

 ラフに入った時にミスショットもありましたが、日本とは違うバミューダやティフトンの芝ですから、打ち方は経験して学んでいくしかない。また砂漠の暑さは手がネチネチしてきて逆にグリップが緩むこともあります。こういうことは経験しないと分かりませんから、ミスをしても引き出しが一つ増えたと思えばいいんです。

 あの一打がどうこう…と言ってみても、しょせんは何十打のうちの一打に過ぎません。一つのミスに執着すると腰の据わりが悪くなります。一球一球に振り返らず、集中し、後悔しないショットを打つこと。うんとうんと粘って、あきらめずにプレーしてもらいたい。ホールアウトした後に「いい仕事をしたな」と、充実感を感じるようなプレーをしてほしいと思います。

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