稲見萌寧、20歳前日に決めた…練習量に導かれた“はざま世代”のダイヤモンド宣言

 女子ゴルフツアーが25日、アース・モンダミンカップ(~28日、千葉・カメリアヒルズCC)で開幕する。今季開幕を前に、昨季にツアー初優勝選手が誕生した8大会を振り返る。

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 「センチュリー21レディース」(19年7月26~28日、石坂GC=パー72)

 大会最終日、19年7月28日は稲見萌寧(20)=都築電気=にとって19歳最後の日だった。単独首位からスタートした稲見は5バーディー、3ボギーの70で回り、2位に1打差の通算9アンダーで見事初優勝を射止めた。

 1999年度生まれは98年度生まれの黄金世代と00年度生まれのミレニアム世代の間で“はざま世代”ともいわれる。その世代からの優勝第1号となり、優勝会見では「19歳最後の日に優勝できてうれしい。“はざま世代”のダイヤモンドになれたらいいです」と誇らしげに胸を張った。

 最終日のプレーは堂々としたものだった。前半で1つスコアを落としたが、11番で得意クラブの9番アイアンを使ってピン1メートルにつけてバーディー。15番は奥カラーから8メートルを沈めてスコアを伸ばした。そして首位タイで迎えた18番。ここも第2打を9番アイアンで3メートルにつけると、迷う様子もなくウイニングパットを決めた。勝利の瞬間、空に向かって右手を一直線に突き上げた姿が印象的だった。

 昨季はQT103位から少ない出場チャンスを生かして第1回リランキングをクリア。開幕時点ではまずシード獲得が目標だったが、一気に初優勝をつかんだのは、自他ともに認める練習量が原動力だった。

 10歳でゴルフを始めた稲見は中学1年になるまで東京・新都民ゴルフ場で、中学入学以降は千葉県内に引っ越して男子の市原弘大、女子の葭葉ルミらも通った北谷津ゴルフガーデンで練習に打ち込み、特別な理由がない限り1日も練習を休んだことがなかった。しかも練習時間は1日10時間。同年代が楽しそうに遊んでいても、常にゴルフと向き合い続けてきたのだった。

 「お正月もお盆も練習を休んだことはありません。インフルエンザで体調が良くない日も、ショートコースで自己ベストを出しました。世界一になるには世界一の練習をしなければいけないんです」

 昨年のスタッツはパーオン率が驚異的な78・2079で断トツ1位で、フェアウエーキープ率は71・8894で19位、サンドセーブ率は51・2821で4位。いずれも猛練習なしには高い数字を出せない部門。さらに現在停止中の世界ランキングは日本選手4番手の59位まで上昇した。近い将来は“はざま世代”の枠を超えて女子ゴルフ界のダイヤモンドへ-。「今年も1日も練習を休みません」。稲見には練習量という誰にも負けない武器がある。

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