成田美寿々、難攻不落の葛城を「2パット星人」で攻略し逆転V【19年女子ゴルフ】

 昨年4月のヤマハレディース(静岡県・葛城ゴルフ倶楽部山名コース)は成田美寿々(27)=オンワードホールディングス=が通算5アンダーで昨年初優勝、通算12勝目(現在は通算13勝)をマークした。3位から出て6バーディー、1ボギーの5アンダー67で回り、首位でスタートしたアン・ソンジュ(韓国)を逆転した。

 逆転の成田の本領発揮だった。最終日はアン・ソンジュが17番でバーディーを奪い、この時点で追いつかれたが、18番パー5で勝負に出た。ピンまで残り233ヤードの第2打で5Wを抜いて果敢にグリーンを狙い、右手前10メートルにナイスオン。イーグルパットは2メートルショートしたが、このウィニングパットをしっかり沈めた。

 この瞬間、右手を高々と突き上げて歓喜のポーズ。これで逆転優勝は全12回中8回となった。ヤマハはこの時点で過去5回出場中3回が予選落ち、ベストが40位と大の苦手だったこともあり「本当にあり得ないことが起こったというのが正直な感想」と苦笑いで振り返ったのが印象的だった。

 新境地を開き、それを優勝につなげた。葛城のグリーンは超高速な上に傾斜がきつい。ピン1メートルに乗せても上からなら3パットもざらという難コースだが、前年までとは考え方を変えて攻略に成功した。

 それは1、2メートルのバーディーチャンスでも狙いたい気持ちを抑え、確実に2パットで沈めるというもの。一般のコースなら消極的な戦略も、こと葛城に関しては当てはまらない。「今週は“2パット星人”になると決めていた。2メートルのバーディーパットでも2パットでいくことを徹底するのは難しく、心が大事だった。狙ったのは最後のパットだけです」。結果、この週は3パットは1回もなかった。

 昨季から遠征先では外食を控え、宿舎の部屋でなべ料理を囲むことが多くなった。父・俊弘さんは「美寿々は外食よりも部屋の中で体のケアや休息を取りたい方。そのためなべセットを小ぶりのスーツケースに入れて毎週宅配便で送っている」と話していた。最終日前夜は豚肉の辛みそなべに舌鼓を打ち、翌日の優勝を引き寄せた。

 世界基準の葛城を制したことで、他のコースでの優勝よりも大きな自信、貴重な経験を得た。優勝会見では「こういうゴルフができたことはすごい自信になった。新しい成田美寿々が生まれた感じです」。成田はこの年、大東建託いい部屋ネットレディースでも優勝を果たした。今季も開幕のあかつきには、若さと熟練を合わせ持つ成田のゴルフを見せてくれるに違いない。

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