鈴木愛、今季5勝目!賞金トップ申1打差振り切った 逆転賞金王へ3000万円差
「女子ゴルフ・樋口久子・三菱電機レディース・最終日」(3日、武蔵丘GC=パー72)
単独首位から出た鈴木愛(25)=セールスフォース=が5バーディー、1ボギーの68で回り、通算14アンダーで逃げ切った。今季5勝目で通算14勝目。最終ホールまで激しい優勝争いを繰り広げた申ジエが、1打差の通算13アンダーで2位。今季2勝目を目指した小祝さくらは、通算12アンダーで3位にとどまった。
1メートルのウイニングパットを沈め、鈴木はほっとしたように空を仰いだ。「あのパーパットは今日一番しびれた。心臓が飛び出るってこういうことなんだなと思いました」。厳しかった表情がようやく緩んだ。
激しい優勝争いだった。5番では申に5打差も後半インで猛追を受けた。15番で1・5メートルのパーパットを外すと、申がバーディー。この時点で差はわずか1打に縮まった。勝負を分けたのは16番。両者バーディーだったが、先に3メートルのバーディーパットを沈めて1打差を守り抜いた。
「あそこが勝負どころだった。先に入れられたので、アドバンテージを取れました」
価値ある優勝だった。左手首、左手親指の痛みで9月のミヤギテレビから4週間欠場。この間は気持ちの上でも大きな問題に直面した。「けがもあるし、いくら練習してもうまくならないので、ゴルフが本当に嫌になった」。ある意味でゴルフ人生の危機だった。
気持ちが復帰へ傾いたのは、都内で同居していた母と弟に徳島県の実家に一時的に帰ってもらい、独り暮らしを経験したことが大きい。「洗濯や料理をする生活がこんなに楽しいのかと思った。そうするうちにゴルフもちょっとやりたくなった」と明かした。
今季の目標は2年ぶり2回目の賞金女王。この優勝で1位の申に約3000万円差となった。今季残り4試合での逆転は簡単ではないが「ちょっとチャンスができた。残り試合でどれだけ優勝争いできるかがポイントですね」。取り戻した自信を携え再び歩みを進める。