“渋野プラン”で東京五輪混雑から選手守る ローピングで選手までの距離を遠くに

 「女子ゴルフ・NEC軽井沢72」(16日開幕、軽井沢72ゴルフ北コース=パー72)

 東京2020組織委員会がAIG全英女子オープンを制した渋野日向子(20)=RSK山陽放送=が来年の五輪に出場した場合に備え、“渋野プラン”とも呼べる選手の安全を優先するギャラリー整理策を練っていることが15日、組織委関係者の話で明らかになった。日本人として42年ぶりにメジャー優勝を果たしたニューヒロインを不測の事態から守るためのマル秘プラン。開幕まで1年を切り、組織委の対応も迅速かつ柔軟だ。渋野はこの日、16日に開幕する女子ツアー、NEC軽井沢72(長野・軽井沢72G北C)に向けて会場で最終調整した。

 “渋野プラン”はそもそも世界的人気選手のタイガー・ウッズの安全を守ることを目的とした“タイガー・プラン”だった。それが急きょ“渋野プラン”も検討する流れになったのは、言うまでもなく、渋野が日本人として42年ぶりのメジャー制覇を果たし国民的人気者になったからだ。

 組織委は五輪会場の霞ケ関CCのギャラリーキャパシティーの上限を2万5000人に設定している。もちろん一日の中で出入りがあるため、常時コース内にとどまる人数はそれを下回るとみられるが、これだけの人数が集中するとなれば、大事故につながる危険が出てくる。「仮に1万5000人が入っていたとして、その3分の1から半分が1つの人気選手の組についた場合を想定して、今から準備をしておかなければいけない」と組織委関係者は説明した。

 具体的なプランの内容は、選手とギャラリーを分ける、いわゆるローピングの操作で、ティーイングエリアからグリーンまでは一般のツアー大会よりも幅を広げ、最前列のギャラリーから選手までの距離が遠くなるようにセッティングする。

 グリーンから次のティーイングエリアまでも同様に広げる。渋野は全英女子では次のホールへの移動中にギャラリーとハイタッチや握手をして人気を得たが、同関係者は「安全が第一ですから、我慢していただくことになると思います」。このエリアのギャラリーには“スマイルシンデレラ”の笑顔だけで満足してもらうことになりそうだ。

 ロープ自体も大勢のギャラリーの圧力で切れたり伸びたりする不安をなくすため、従来より太く強いものを使用する。霞ケ関CCで開催中の日本ジュニア選手権では、五輪時の成績を集計するリザルトシステムなどをテストしているが、“強化ロープ”も実際にコースに張ってテストを完了。安全を最優先する運営ポリシーの支援を受けて、渋野は1ミリの不安もなく金メダル獲得へ突き進むことができそうだ。

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