額賀が初V 伏兵やった!3打差大逆転 苦労乗り越え飛距離武器に

 「男子ゴルフ・三井住友VISA太平洋マスターズ・最終日」(11日、太平洋クラブ御殿場C=パー70)

 プロ13年目で今季はシード権がなく、今大会は主催者推薦で出場した伏兵、額賀(ぬかが)辰徳(34)=フリー=が自慢の豪打を駆使して1イーグル、4バーディー、2ボギーの66をマークして3打差を逆転、通算9アンダーでツアー初優勝を果たした。初日から首位を走り続けた秋吉翔太は72と崩れて3位。今季国内初戦となった松山英樹(26)=LEXUS=は74と落として通算4オーバー46位に終わった。

 本人もびっくりの大逆転だ。額賀はこれまで優勝争いはしても最後にしくじり、心の隅に「今回も」の思いがこびりついていた。ところが、3番パー5で30ヤードのチップインイーグルを決め、最難関の6番では3・5メートルにつけてバーディー。失速する上位を尻目に落ち着いて伸ばし、気が付いたら優勝していた。

 日本では久しぶりに生まれた、豪打タイプの王者だ。中央学院大時代に日本学生選手権や日本オープンのローアマを取り、卒業と同時にプロ入りしたときは将来を嘱望された。ドライビングディスタンスは過去4度1位を獲得。だが下部ツアーで4勝したが、レギュラーツアーではシード権を獲得しては手放しての繰り返し。目立つのは飛距離と、巨人・原監督とはまったく関連がないという「辰徳」の名前だけだった。

 飛ばしが逆に足を引っ張っているのではと悩んだ。「賞金ランクの上位に飛ばし屋はいない。飛距離が足を引っ張っているんじゃないか」。応援に駆けつけた妻・友美さん(38)も「ただ飛ぶだけと言われて苦労していました」という。今季もここまでドライビングディスタンスは1位(306・5ヤード)。優勝した今は、やはり飛距離が自分の武器だと思い直している。

 当初は次週行われる来季の3次出場予選会(QT)に行くつもりだったが、優勝賞金3000万円を獲得し、その必要もなくなった。「あ、ホテルをキャンセルしなきゃ。キャンセル料かかるかな」。うれしい悲鳴と13年分の笑顔は、やむことがなかった。

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