鈴木愛、年女の決意は2年連続賞金女王 母の日Vから始まった進撃
女子ゴルフの鈴木愛(23)=セールスフォース=は2017年の賞金女王に輝いた。年女となる今年も、さらにグレードアップして、全国のファンを魅了する。
日本人選手として、2013年の森田理香子以来となる賞金女王。「自分が思ったより早かったです」。鈴木にとって、これまで培ってきた技術、経験が凝縮され、鮮やかに花開いたシーズンだった。
目標に掲げたのは「年間5勝」。毎年オフはアリゾナでキャンプを張り、米ツアー「フェニックス・オープン」を観戦する。昨年は松山英樹の優勝を見た。
「リズムがゆっくりなところ。スイングを参考にしました」。ショットの精度を上げることで、武器としてのパターの価値がより高まった。
昨季初優勝は、5月の「ほけんの窓口レディース」だった。前週から痛めていた膝の状態は悪かったが「四国育ちでアップダウンのあるコースは好き。たくさんバーディーが取れるような気がする」という予感が的中。後半に猛チャージをかけた。
スタンドには香川県から駆けつけた母・美江さんの姿があった。母の日に最高のプレゼント。「ハラハラしたけど来て良かった」と喜ばせた。
6月の「アース・モンダミン・カップ」では、劇的に優勝を決めた。単独首位で迎えた最終日。2位の三ケ島かなに2打差をつけての17番だった。1メートルのバーディーパットが入らず、返しのパットも外してまさかのボギー。
1打差に縮まっての最終18番。三ケ島に8メートルのバーディーパットを決められ、この時点で通算17アンダーで並ばれたが、直後に7メートルのバーディーパットを入れ返して決着。「いつも自作自演ばかり。次はもっと勝てるように対策します」と照れ笑いだった。
7月には、かつての女王・岡本綾子さんから「狙いなさい。取りに行くべきよ」と背中を押され、賞金女王をはっきりと目標にした。
その後も安定した成績が続いた。11月の「LPGAツアー選手権リコーカップ」。最終戦最終日最終ホール。上り5メートルをカップの向こう縁にぶつけてパー。鈴木の真骨頂が発揮された超強気なパットだった。
平均パット数2位(1・7582)。平均ストローク(70・7447)、バーディー率(3・6277)、パーキープ率(87・4704)は、それぞれ4位。安定感と強さは、数字でも証明された。
休日にはゲームを楽しみ、遠征先ではお気に入りのファミレスを探すという23歳。「周囲から(女王と)見られるプレッシャーの中で成績を残したい」と決意する1994年生まれの年女。2年連続の賞金女王へ突き進む。