宮里優作 史上初!選手会長が賞金王 最終戦で逆転…15年目での栄冠に涙

 逆転賞金王に輝きウイニングボールを手に涙を流す宮里優作
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 「男子ゴルフ・日本シリーズJTカップ・最終日」(3日、よみうりCC=パー70)

 首位タイから出た宮里優作(37)=フリー=が1イーグル、6バーディー、ボギーなしの62を出し、通算15アンダーで今季4勝目。優勝賞金4000万円を加えた今季獲得賞金を約1億8283万円とし、大会前までトップだった小平智を逆転し、ツアーデビュー15年目で初の賞金王に輝いた。選手会長が在任中に賞金王になるのは史上初の快挙で、最終戦での逆転賞金王は2000年の片山晋呉以来2人目。小平は通算3オーバー21位、池田勇太は6オーバー24位だった。

 名物ホールの18番ショート。30センチのウイニングパットを沈めると、宮里優は人目もはばからず目頭をぬぐった。「1年間がやっと終わったな、ようやく緊張から解放されたなと思ったら…」。ホールアウト直後にはギャラリーとともに万歳を三唱した。

 圧勝だった。パットのライン読みから迷いがなくなった3番から4メートル前後を立て続けに沈めて3連続バーディー。6番は残り220ヤードの第2打を4Iで1メートルに2オンさせ、圧巻のイーグル。前半で独走態勢を築き、早々と優勝と逆転賞金王を決定づけた。

 「賞金王はジャンボさん(尾崎将司)や青木(功)さんも取っていて、選手としてのあこがれ。1回取れるかどうかなので自分はむしろ早かったと思う」

 昨年選手会長に就任し、今年が2年目。選手専任の時に比べて練習時間が十分に取れない環境の中、史上初めて在任中に賞金王を獲得した。今季挙げた4勝は在任中の勝利数としては杉原輝雄と並ぶ歴代2位の記録。見事に会長職と選手を両立させた。

 「去年から選手会長をやってみて『外れくじ』と言われるのが嫌だった。いいメンタルトレーニングになるし、その中で勝てたのは僕の成長。やってよかったなと思う」

 今年は妹の藍さん(32)が引退し、宮里家は大きな大きな転機を迎えた。その中で次男の存在感を際立たせ「藍ちゃんが色あせることはない。藍ちゃんを超えるには(海外)メジャーで優勝するしかないけど、頑張らなきゃいけないという思いはある」と責任感を口にした。

 この優勝で世界ランクは57位前後に上がる見込み。次なる目標は同50位以内が出場できる4月のマスターズ初参戦で、そのために完全なオフは設けず今後もアジアやハワイの試合に出場する。「世界ランクをどこまで上げられるか。マスターズまでそれを念頭にやっていきたい」。円熟の時を迎えた37歳がさらなる飛躍を誓った。

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