ジョセフHC秘策あり 相手作戦は明白「明確でないことは、われわれが何をするか」

 「ラグビーW杯・準々決勝、日本-南アフリカ」(20日、味の素スタジアム)

 強い自信を示した。ラグビー日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC=49)は18日、W杯準々決勝南アフリカ戦(20日・味スタ)に臨む試合登録メンバーを発表した。南アフリカは前回大会で世紀の番狂わせを果たした相手だが、9月6日の壮行試合(熊谷)では7-41で大敗。それでも相手の手の内は分かっているとし、それに対する戦略は万全だと強調。「面白い試合になる」と不敵に笑った。

 威風堂々とした姿に不安の色は微塵(みじん)も感じさせなかった。「日曜日、爆発してほしい」。戦いに向かう準備は完了した。あとは作戦を淡々と遂行するだけ。ジョセフHCは鍛え上げたメンバーに対する信頼と自信を表現した。

 その根拠は2つある。相手の出方が明らかなこと。そして日本の戦術は予測不能であることだ。

 「南アフリカは控えに6人のFWを入れている。フィジカルでダイレクトなアプローチで押し掛けてくるのが分かる。それに対してしっかりと準備してきた。明確でないことは、われわれが何をするか。本当にこの試合は面白いことになる」

 慎重な言い回しの多い指揮官から出た珍しく強気な発言だった。

 ブラウン攻撃コーチは「日本は2度同じ戦術をとらない」と話していた。アイルランド戦ではボールをつなぐパスラグビー。サモア戦ではキックを多用し、スコットランド戦ではボールをキープした。相手を分析し、多種多様な戦術を駆使できる強みがある。

 プロップ中島は「とりあえず、モールとスクラムを止めるって決めました。だから、それを決めたら、南アフリカはどうしようもない」と金歯を光らせながらニヤリ。戦略に、自信をのぞかせた。

 大敗した壮行試合。ジョセフHCは「われわれにとっては非常にアドバンテージになっている」と事前の相手のプレーを体感したメリットを挙げる。CTB中村も「(9月は)結果にとらわれずというところがあった。今回はディテールという言葉を使っているけど、細かいところをいかにできるか。最後、1ポイントでも多く上回れたら」と言う。緻密な戦略を落とし込んで、準備を進めてきた。

 4年前は日本が歴史的な勝利を挙げた因縁の相手だ。ニュージーランド出身のジョセフHCには別の思いもある。「ニュージーランドと南アフリカは長年のライバルだった。子供の頃からそういうことを肌で感じていた」。日本の指揮官として永遠のライバルに対峙(たいじ)。そして、再び日本の勝利を歴史に刻む。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ラグビーW杯最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス