平尾さんが設計に携わったノエスタ神戸 選手がぶつかり合う音まで響く臨場感を大事に
イングランド対米国戦が行われたノエビアスタジアム神戸は、神戸製鋼で活躍し「ミスターラグビー」と称された故平尾誠二さんが設計に携わった。観客と選手をより近くに-。そんな理想が詰まっている。
スタンド最前列は緑の芝生が目前に迫り、ラガーマンがぶつかり合う「ドーン」という音が響く。神戸製鋼所総合地域開発本部でスタジアム新設計画の中心メンバーだった園田学さん(64)は「臨場感を求めた平尾のイメージ通り」と誇らしげに話す。
「ピッチとスタンドを近づけて」「選手とファンが交流できるように」。選手目線の平尾さんの言葉を実現した。低く設計したスタンドからカメラを伸ばしたファンと、近づいてきた選手が一緒に記念撮影。ピッチを見ながら敵味方なく酒を酌み交わせるパノラマレストランも設置した。
試合では好プレーのたびにスタジアムがファンの歓声に包まれた。平尾さんの狙い通りに多くの観客が世界レベルの迫力を肌で感じていた。