日本、快幕へ和製スクラムトライだ 長谷川コーチ「大好物」W杯仕様の芝適応

 ラグビー日本代表FW陣のスクラムについて話をする長谷川スクラムコーチ
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 「ラグビーW杯・1次リーグA組、日本-ロシア」(20日、東京スタジアム)

 和製スクラムで活路を見いだす。ラグビー日本代表は17日、都内で冒頭15分のみ報道陣に公開して、FW、BKに別れて練習した。日本の芝に適応するスクラムを磨き上げてきた長谷川慎スクラムコーチ(47)は、ロシアとの開幕戦(20日)が行われる東京スタジアムのハイブリッド芝に対して「大好物」とニヤリ。FW陣もスクラムに手応えは十分。重く大きいロシアのFW陣を逆に押し込んで、6日の南アフリカ戦でも狙ったスクラムトライを大舞台で決める。

 W杯仕様のハイブリッド芝に改修された開幕戦の舞台について問われたときだった。長谷川コーチは「大好物」と目を細くして、歓迎の意を示した。

 芝の質は気候や種類によって世界各地で異なる。同コーチは「日本の芝生はすごく引っかかる。もともと今の(スクラムの)組み方は日本の芝生に合わせた組み方をしています」と説明する。

 ハイブリッド芝は人工芝に天然芝の根が絡むことで強度が増す。日本が求める引っかかりはさらに強くなる。「引っかかる芝で外国人相手にできるように日本のスクラムはできている」と自信を示した。

 長い時間をかけて、緻密な練習を重ねて、ジャパンスタイルのスクラムを作り上げた。情報漏れを防ぐため、報道陣には組む際の写真撮影を禁じたほどだった。体格は劣るが、8人が呼吸を整えて、低い姿勢で1つの岩のようになって当たるスクラム。プロップ具は「常に足を同じ位置に置く。少しでも下がると足が伸びてしまう」と数センチ単位で調整した芸術品だ。

 その成果は6日の南アフリカ戦(熊谷)で実証された。優勝候補を相手に、互角のスクラムを展開した。プロップ稲垣は「スクラムトライを狙いにいったけど、コミュニケーション不足でボールを(スクラムから)出してしまった」と振り返ったほどだ。

 長谷川コーチは「いつもやっている組み方の延長線上にそれ(スクラムトライ)がある。ちょっと今回は上積みはある」と課題は修正済み。「難しいけど、やってほしいね」。小さな日本が大技で、W杯の幕を開ける。

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