羽生ファイナル進出 転倒4位も魅せた

 「フィギュアGPシリーズ第6戦・NHK杯」(29日、なみはやドーム) 

 男子フリーを行い、ショートプログラム5位の羽生結弦(19)=ANA=はフリーでもミスが目立ち、229・80点で4位に終わったものの、ほかの選手の結果により、GPファイナル(12月12日開幕、スペイン・バルセロナ)進出が決定した。羽生はシリーズ上位6人で争われるファイナルで、日本男子初の2連覇に挑む。

 祈るような歓声と、悲鳴が交錯した4分30秒を終えると、羽生は口を真一文字に結び、そしてつぶやいた。「終わった」-。中国杯の悪夢から3週間。ケガも完全に癒えぬまま臨んだ復帰舞台には悔しさだけが残った。

 「皆さん、ケガや練習不足の影響と思われるかもしれないけど、そうじゃなくこれが僕の実力です」

 中国杯の衣装から、白を基調にした“新戦闘服”で挑んだが、流れは変えられない。前日に続き4回転ジャンプに失敗した。中国杯から帰国して以降、フリーを通した練習はできなかった。信じたものは15年のスケート人生で培ったもの。必死に力を振り絞り、演じきったが「十何年も練習してきて、こんなものかと。正直言って今、思っている」と、自嘲的に笑った。

 満足にはほど遠い内容。それでも最後まで諦めなかったことが、日本男子初のファイナル連覇への夢をつないだ。自力ではつかめなかったものの、他選手の結果により、ファイナル進出が決定。5位ならば逃していた。運命を分けたのは、わずか0・15点差だった。

 来月7日に20歳の誕生日を迎える。これが10代最後の演技だった。五輪王者となり栄光に満ちた1年の、最後に訪れた試練。ただ、19歳で五輪金メダリストとなった今年2月のソチで、誓ったことがある。憧れのあの人のような、完全無欠の王者になると-。

 「プルシェンコ選手(ロシア)のように、どんな時でもどんな場所でもノーミスでできるぐらい強い選手になりたい」。全盛期、どんな状況でも4回転を決め、世界を制圧した“皇帝”に、自らの未来を重ねた。

 ファイナルまでわずか2週間足らずだが、羽生は「しっかり立て直したい」と前を向いた。若き王者は信じている。この試練を乗り越えた時、自分はまた理想に近づけると-。

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