鈴木が銀 観客総立ち!断トツ演技力

 「フィギュアGPシリーズ・スケートカナダ・第2日」(26日、セントジョン)

 女子はSP3位の鈴木明子(28)=邦和スポーツランド=がミスを引きずらない演技でフリー127・99点、計193・75点で2位。ユリア・リプニツカヤ(ロシア)が計198・23点で優勝した。男子は羽生結弦(18)=ANA=がフリー154・40点、計234・80で2位、織田信成(26)=関大大学院=がフリー152・18点、計233・00点で3位に入った。世界王者のパトリック・チャン(カナダ)が計262・03点で圧勝。無良崇人(22)=岡山国際スケートリンク=は計188・53点で10人中最下位に終わった。

 出だしのつまずきを忘れさせる演技に観客は総立ちとなった。鈴木が見せたのはミスを引きずらない強さ。4月の国別対抗で出した自己ベスト199・58点に次ぐ高得点を演出したのは、心の成長だった。

 「普段から終わったことはすぐに切り替えようとしてきたので、昨年と比べたら落ち着いた試合運びになった」

 冒頭の3連続ジャンプが単発になっても冷静だった。続くダブルアクセルを3連続に変更。その後も大崩れせずにまとめた。表現力を示す演技構成点はほぼ8点台が並んで断トツ。最後まで「オペラ座の怪人」の主人公になりきった。

 以前は違った。失敗を取り返そうと力が入りミスを重ねた。転機は今季直前の練習。コーチ陣に修正点を指摘された後、こう言われた。「1回目でできなくても気にしないでね」。妙にふに落ちた。「昨季はミスが怖かったけど、ミスした後が重要なんだと。怖がってもしょうがない」。意識が変わった瞬間だった。

 10年来の師弟関係を結ぶ長久保裕コーチとの関係にも変化が生じた。ミスの原因を探る際、これまでは「違う」と言われるのが嫌で黙っていた。それを改めた。「自分が正しいと思ったことを言った方がスッキリする」。考えをぶつけ合って理解してもらうことで、精神的なアドバイスもより受け入れやすくなった。

 3年連続の2位。いずれも10歳以上若いホープに敗れた。それでも28歳は胸を張った。「やれることをやろうと集中していたので、3回目の銀は過去2回とは違う」。ジャンプを決めればもっと点は出る。観客の反応で自信も得た。ソチ五輪に向け、収穫の多い銀メダルだった。

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