真央引退示唆…ソチ五輪で最高の演技を

 「フィギュア世界国別対抗戦・最終日」(13日、代々木第1体育館)

 女子のエース、浅田真央(22)=中京大=が、今季の最終戦となった大会後、ソチ五輪が行われる来季限りで第一線を退く意向を示した。銀盤にさまざまなドラマを刻み込んできた天才スケーターは、14年ソチ五輪を「集大成」と位置づけ、悲願の金メダルを目指す。この日は女子とペアのフリーが行われ、ペア不在が響いた日本は連覇を逃し、3位。女子では鈴木明子(28)=邦和スポーツランド=が逆転で1位、真央は5位に終わった。

 覚悟を感じさせる引き締まった表情だった。この日のフリーで今季の全試合が終了。来季に迫ったソチ五輪に向けた意気込みを問われ、真央ははっきりとした口調で、言葉を紡いだ。

 「五輪という最高の舞台で、集大成として、いい演技ができるようにしたい。スケート人生の中で最高の演技をしたいと思います」

 宿舎への帰り際、来季で競技生活を終えるのか‐と問われると「今はそのつもりです」といつもの天真らんまんな微笑みを浮かべ、出待ちのファンの声援に応えながら、バスへと乗り込んだ。

 22歳の大きな決断だ。男子の高橋大輔(関大大学院)や女子の鈴木のように、20代半ばを超えても第一線で活躍する選手は増えてきた。ただ、真央は15歳での衝撃的なシニアデビューから日本中の期待を背負い、銀盤にさまざまなドラマを刻み込んできた。その重圧は計り知れない。

 マネジメント関係者は「やっぱりやるとか、やらないとか、恥ずかしいことにならないように、発表する時はしっかり考えてからしなさい」と、話し合ってきたという。それだけに本人の決意は固いとみられる。

 競技生活のラストと位置づけた夢舞台で、目指すは悲願の金メダル。「いい色のメダルを獲るためにも、最高のレベルで、最高の演技をしたい」。表彰台の頂上で、最高の“真央スマイル”を咲かせてみせる。

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