錦織圭が引退セレモニー「幸せだった」マイケル・チャンコーチがスピーチ 家族への感謝「受験勉強の時に嫌がらせ…すみません(笑)」

 男子テニスのジャパンオープン決勝が行われる6日、元世界ランク4位で1日に現役最後の公式戦を終えた錦織圭(36)=ユニクロ=の引退セレモニーが、会場の有明コロシアムで開催された。

 降り注ぐ拍手で迎えられ、黒のスーツで登場。笑顔を浮かべながら、「自分のために時間をつくっていただきありがとうございます。正直、5日前の1回戦で負けて、(引退の)お祝いをしてくれておなかいっぱいだったので…へへへ(笑)。こうやってみなさんに会えることをうれしく思う」と、錦織らしく集まったファンにあいさつした。

 会場のモニターでは、14年全米オープン決勝や銅メダルを獲得した16年リオデジャネイロ五輪などの栄光から、股関節の負傷などに苦しむ錦織のテニス人生を描いた映像が流れた。「ケガが多いテニス人生でしたけど、頭に残っているのは楽しい最高だったシーン。大会で優勝したり、ジャパンオープンで優勝した記憶は鮮明に残っている。努力して最後まで走り続けたこと、出し切れて頑張れたことに僕は満足している」と実感を込めた。

 また今大会に出場しているアルカラスや、ジョコビッチ、ナダル、フェデラーらしのぎをけずった選手らからのビデオメッセージも上映。錦織は「めちゃくちゃうれしい。もうちょっとのところで泣きそうでした」と笑いつつ、「ジョコ、フェデラー、ナダル、マレーと彼らから学んできたこともあったし、自分が活躍することでアジアの選手が来てほしいなという思いもあった。(これから)新たな強い選手が日本から生まれてきてくれるとうれしいですね」と語った。

 会場には2013年から22年までコーチを務め、数々の栄冠をともに歩んできたマイケル・チャンコーチが駆けつけ、スピーチした。「圭が口にしなかった言葉がある。それは『やりたくない』『試したくない』『難しすぎる』。成功に必要な努力から逃げませんでした」とたたえ、「圭ほどの選手を指導するのは、最高に楽しい瞬間だった。10年以上コーチであり、友人でいられたことを誇りに思う」とうなずいた。最後には「心残りがある。彼は日本語を一言も教えてくれなかったんです。ナニヒトツモ」と話し、会場を笑わせた。

 最後には家族への感謝も口にした。「お父さんは趣味を捨ててまで僕と公園でテニスを始めて、お母さんはお父さんに怒られている時に優しく支えてくれた。お姉ちゃんは公園で一緒にテニスを始めた仲で、お姉ちゃんが受験勉強しているときにドンドンたたいて嫌がらせをしたり、迷惑をかけた部分はあったけど、最初のライバルとしてお姉ちゃんが引っ張ってくれたのは、僕のキャリアに大事な時間だったと思う。あの時はすみませんでした」。

 感極まり、少し声を震わせる場面もありながら、最後は「すごい幸せだったなと思う。テニス1本で5歳から初めて、ずっとテニスが一番の夢で、GSを取る、1番になることが小学校の頃からの夢だった。その夢をひたすら努力して大きな目標に向かって突っ走れたことは幸せだった。テニスが大好きで、まだまだやりたいと思っていますし、悔いもたくさん残っている。国枝(慎吾)さんみたいに金メダル、グランドスラムを取りまくることはできなかったけど、すごい楽しいテニス人生を送ることができた」とし、「まずはちょっと休ませてください(笑)必ず戻って来てなにかをします。日本テニス、アジアテニスがもっとよくなるようにヘルプしたい」と明るい未来を思い描いた。

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