ボクシング男子55キロ級・山口瑠が52年ぶり金メダル 五輪銀メダリストに判定勝ち「駆け引きに負けないように」 

 「アジア大会・ボクシング・男子55キロ級・決勝」(2日、西尾市総合体育館)

 男子55キロ級の山口瑠(22)=駒大=が決勝でカルロ・パーラム(28)=フィリピンを3-2の判定で下し、金メダルを獲得した。日本勢の同級制覇は1962年ジャカルタ大会の田辺清、74年テヘラン大会の石垣仁以来、52年ぶり3人目。

 胸に抱いていた夢を成し遂げた。男子55キロ級決勝で山口が3-2の判定で競り勝って優勝。リング上で両拳を挙げて喜び「プレッシャーもあったし、ほっとしている」と大きく息をついた。

 緊迫感あふれる主導権の奪い合いだった。カウンターを狙って出方をうかがう21年東京五輪フライ級銀メダルの相手に対し、細心の注意を払いながら攻撃を仕掛けた。「駆け引きで削り合った。そこで負けないようにした」。素早い出入りで有効打を的確に当て、1回は5人のうち4人、2回も3人のジャッジに支持された。最終3回は相手の捨て身の攻勢に押されたが、トータルでは僅差で上回った。

 幼少から空手とキックボクシングに親しんだ。2学年上の兄に圧倒される毎日だったが「絶対、兄を倒したろうとずっと思っていた」と負けん気が成長を促した。中学3年からボクシングに専念。大阪・興国高では全国高校総体を2連覇した。

 駒大入学直後、指導者が練習場のホワイトボードに「2026年アジア大会」と書いた。「これを目指せ」と背中を押された。昨年の世界選手権8強など経験を積み、優勝候補として迎えた今大会で頂点に。4年生で金メダルをつかみ「やってきたことは間違いではなかった」と誇った。新たな夢、28年ロサンゼルス五輪の金メダルへも視界が開けた。

 ◆山口 瑠(やまぐち・るい)2004年5月12日、大阪府藤井寺市出身。中学時代にキックボクシングからボクシングに転向。大阪・興国高で高校4冠。昨年の世界選手権8強、今年のアジア選手権優勝。駒大4年。172センチ。

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