藤ノ川 198年ぶり京都出身の新三役 西郷隆盛生まれた1828年・緋縅以来 歴史に残る新関脇「目標は勝ち越し」

番付表のしこ名を指さす藤ノ川
会見で笑顔を見せる藤ノ川
大相撲秋場所の番付表を手にする新関脇の藤ノ川
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 日本相撲協会は31日、大相撲秋場所(9月13日初日、両国国技館)の番付を発表した。藤ノ川(21)=伊勢ノ海=が、京都府から1828年10月場所の緋縅(ひおどし)以来198年ぶりの新三役、新関脇昇進で西に就いた。

 江戸時代から続く歴史を動かした。京都府出身の新三役は1828年(文政11年)10月場所、後に大関を務めた緋縅以来、198年ぶりの快挙。藤ノ川は「部屋のマネジャーに聞いた。久しぶりの三役、応援してくれる人も増えている。期待に応えられるように本場所で頑張りたい」と誓った。

 同年、日本ではシーボルト事件が発生し、西郷隆盛が生を受けた。海外では、第2次ロシア・ペルシャ戦争が終結。自身で6代目となる伊勢ノ海部屋伝統のしこ名「藤ノ川」初代の生誕は、20年後の1848年だ。

 東前頭筆頭だった先場所で8勝7敗。大の里、豊昇龍の両横綱から連日の金星を挙げ、殊勲賞に輝いた。自身も周囲も予想は小結も「新三役は今年の目標の一つ。実現できてうれしい。番付運も良かった」と喜んだ。

 甲山親方(元幕内大碇)の長男。住居は東京に構えるも、父の故郷の京都で誕生。その実家前に竹林があり「タケノコ採りで有名な大原野。年末年始は京都で、初詣は大原野神社に行った」と述懐。同神社には、藤ノ川の等身大パネルが飾られ応援されている。角界で思い入れ深い京都の歴史をつくり「良かった」と語った。父からは「パーティーで色紙使うから用意しとけ」とゲキを飛ばされた。

 初土俵から所要22場所での新関脇は、年6場所制となった1958年以降初土俵(幕下付け出し除く)では史上10位のスピード昇進。「入門した時は三役に上がれると思っていなかった」。身長177センチ、体重123キロの小兵。十両、幕内、三役と一つずつ目標を成就させた。

 「体が小さい分、気持ちで負けたくない。どんな相手にも。昔から負けず嫌い」

 稽古は番数は少なくとも、全力で相撲を取ると決めている。「幕内までは、強引な投げとか捨て身が多かった。幕内に上がってから前に出られるようになった」と成長。きっぷのいい相撲で、多くのファンを獲得した。

 藤ノ川は2代目と、今も親交が続く先代師匠の4代目・森田武雄さんの関脇が最高位。歴代藤ノ川最高位の大関への期待もかかる。秋場所を「お客さんが喜ぶような相撲が取れればいい。目標は勝ち越し」と見据えた。

 ◆藤ノ川成剛(ふじのかわ・せいごう)本名・斎藤成剛。2005年2月22日、京都市西京区出身。5歳で相撲を始め、埼玉栄高から父の甲山親方(元幕内大碇)が部屋付き親方を務める伊勢ノ海部屋に入門。23年初場所で初土俵。24年九州場所で新十両。25年名古屋場所新入幕で、しこ名を若碇から藤ノ川に改名。敢闘賞、殊勲賞、技能賞各1回。3兄弟の長男で次男・忠剛は幕下碇潟。三男・夕剛は埼玉栄高2年で相撲部に在籍。177センチ、123キロ。得意は押し。

 ◆京都府出身の主な力士 藤ノ川の父で甲山親方の元幕内大碇は京都市西京区出身で、2000年春場所の東前頭11枚目が最高位。京都市下京区出身の元幕内大文字は、1970年初場所で西前頭5枚目へ上り詰めた。京都市中京区出身の若天龍は1965年九州場所での東前頭筆頭が最高位。現在は8人の力士がおり、関脇藤ノ川を除いた最高位は、宇治市出身の竜鳳で東幕下4枚目。

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