高木美帆さん「身に余る思い」国民栄誉賞表彰式「たくさんの方々が浮かんできた」 記念品は希望の包丁10本セット「勉強しないと」

国民栄誉賞を受賞した高木美帆さん
高木美帆さんに贈られる記念品の包丁セット
国民栄誉賞表彰式で、高市首相(右)から盾を受け取る高木美帆さん
3枚

 日本女子最多の五輪メダル通算10個を獲得したスピードスケートの高木美帆さん(32)が4日、首相官邸で国民栄誉賞を授与された。2023年の車いすテニス男子の国枝慎吾さん以来、29例目。高市早苗首相から表彰状を受け取り、記念品として桐の箱に入った包丁10本セットを贈られた。表彰式後に都内で取材に応じ、喜びと支えてくれた人への感謝を語った。

 栄誉ある賞に輝き、照れくさそうに笑った。高木は「純粋に速くスケートを滑りたい、世界と戦いたいと思ってやってきた。その過程をこのような形で評価していただけて素直にうれしい」と喜び、表彰式では緊張した面持ちで、重みのある盾を受け取った。

 夏冬通じて、女子最多の通算10個のメダルを獲得する偉業を成し遂げて手にした賞にも、「身に余る思い」と謙遜する。その次に口をついたのは感謝の言葉。「1人ではここまで来ることはできなかった。たくさんの方々が浮かんできた」と、支えてくれた人への思いを語った。

 五輪4大会に出場。10個のメダルの中で最も印象深いのは、22年北京五輪1000メートルでの金だという。「心身ともにギリギリのところにいた。コロナの制限がある中で、すごく背中を押してもらった」。自分との戦いにも勝って手に入れたメダルの記憶は今も鮮明に濃く残っている。

 記念品には、自ら希望した包丁10本セットが贈られた。「せっかくなら使えるものを」とリクエストした。得意料理は無水カレーだというが、10種類もある包丁を使うには「何をどの料理に使うのかを勉強しないといけない」と苦笑いだった。

 今後の活動は未定。「スポーツと健康の関係、体と考えることのつながりについて思考を深めたり、自分の内側に矢印を向ける時間は好きだと感じている」と、自分の道を見つけつつある。思いの向くままに、高木らしく第二の人生を歩んでいく。

 【国民栄誉賞】1977年に野球で本塁打の世界記録を打ち立てた王貞治さんの功績をたたえるため、政府が創設。首相が表彰状や記念品を贈る。当初は広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与える顕著な業績を残した個人が対象だった。2011年にサッカー女子W杯で初優勝した日本代表「なでしこジャパン」に贈る際、団体も受賞できるよう規定を変更した。

 ◆高木美帆(たかぎ・みほ)1994年5月22日、北海道幕別町出身。中学生だった15歳で2010年バンクーバー五輪に初出場。帯広南商から日体大に進学した。4度出場の五輪は18年平昌で団体追い抜きの金などメダル3個、22年北京で1000メートルの金など4個を獲得。ミラノ・コルティナ大会は500メートル、1000メートル、団体追い抜きでの銅3個を加え、通算10個は全競技を通じて日本歴代3位タイで、女子では夏季五輪を含めて最多。W杯は男女を通じて日本勢最多の38勝を挙げた。

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