引退の剣翔「結婚してすぐ引退ということになって」現役客室乗務員の妻に感謝「ずっと支えてもらった」
大相撲の元幕内剣翔(34)=本名・安彦剣太郎、東京都出身、追手風部屋=が14日、都内で引退会見を行った。今後は23日付けで江東区の焼肉屋「桃松苑」の社長に就任する。現役客室乗務員の妻・祐華さんと6月に挙式があり、断髪式も行う予定という。
3月の春場所は西十両12枚目で臨み、15戦全敗。夏場所は2015年九州場所以来となる幕下降下が確実となり、6日に引退を発表していた。「寂しい気持ちが一番ですね。もう本気で相撲を取ることがなくなる。25年間、小学生からやってきた相撲から離れるということが、まだ信じられない」と語った。
2年前に重傷を負った左膝が限界を迎えた。今年1月に入籍した祐華さんからは「いつ辞めてもいいよ」と言われたが「僕の気力がなくなるまではやらせてほしい」と現役にこだわった。
春場所は初日から相撲にならず惨敗が続いた。祐華さんから「見ているのもしんどいし、本人もしんどいと思うから。休場してもいいんじゃない?」と連絡が来たが「情けないけど最後までやらせてほしい」と千秋楽まで負け続けた。
剣翔は「結婚してすぐ引退ということになって。周りからは大丈夫か?となりますけど、4年前から一緒に住んでいます。ずっと支えてもらってきました」と絆の深さを強調。2年前春場所で左膝を負傷した際も「新幹線にも乗れなかったので、車で迎えに来てくれました」と述懐した。現役引退の決断を伝え「お疲れ様。よく頑張ったね」とねぎらわれた。
体重は現役時代から約30キロ減り、現在175キロ。100キロまで減量してから、左膝の手術を受けるつもりだという。
今年1月にプロデュースした焼肉屋「桃松苑」は、部屋の後輩が運営しているが、23日付けで資金を投入して社長に就任する。自らも接客を行う予定で「力士なる前の夢は社長でした」と、笑顔で新たな人生に視線を向けていた。
剣翔は埼玉栄、日大を経て2014年1月場所で初土俵。16年1月場所で新十両。19年9月場所で新入幕。幕内20場所、十両41場所を務めた。最高位は東前頭6枚目。師匠の追手風親方(元幕内大翔山)からは「体は大きいが器用。もっと努力して磨いていければ…」と残念がられ「一度も怒っているのを見たことがない。若い衆に対しても優しい。ただ、相撲を取るにはその優しさが良くなかったのかもしれない」と評された。
