降格処分の伊勢ケ浜親方に「暴力の常習性なし」 知人女性の太ももを触るなどの不適切な行為があった伯乃富士を拳と平手で2度殴る
日本相撲協会は9日、都内で臨時理事会を開き、2月下旬に弟子の幕内伯乃富士に暴力を振るった伊勢ケ浜親方(元横綱照ノ富士)に対し、委員待遇年寄から平年寄への2階級の降格、10%の減給3カ月の処分を下した。
自ら暴力案件を協会に申告し、2月24日に伯乃富士と事情を知る錦富士と聴取を受けた伊勢ケ浜親方。関係者などから聞き取り調査を行ったコンプライアンス委員会からの答申案を受け理事会で検討された。
日本協会によると、暴力事案は2月23日に伊勢ケ浜親方が自身が伯乃富士に暴力を振るったと勝ノ浦コンプライアンス部長に報告。同部長が当事者を呼んで事情を聞いて確認した上で八角理事長に報告し、青沼コンプライアンス委員長に事実関係の調査と処分意見の答申を委嘱した。
答申によると、2月21日未明に伊勢ケ浜親方は伯乃富士や同部屋の力士、後援者とともに会員制ラウンジで会合。その際に伯乃富士が後援者の知人女性に対して不適切な行為(太ももを触るなど)があったという。伊勢ケ浜親方は後援者の怒鳴り声を聞いて伯乃富士の行為を知ったという。泥酔状態の伯乃富士に注意した同親方は、ソファに座ったまま、同じく座ったままの伯乃富士の左頬のあたりを拳で一発殴り、平手でも顔面を叩いたという。伯乃富士は同親方に謝罪し、後援者にも謝罪した。
報告では「師匠という指導者の立場にある者が弟子に対して直接暴力を振るった事案であり、暴力禁止規定に違反するとともに、親方としての自覚に欠け、到底許されるものではなく、厳しい処分が求められる」とした。その一方で、「暴力の態様は、座ったまま拳や平手で合計2回顔面を殴打したにとどまり、その態様や程度が極めて悪質とは言い難い。しかも、伯乃富士にも、同席した女性2対して不適切行為に及んだという落ち度があり、本件暴力を正当化する理由にはならないものの、これを諫めるという、相応の動機があった」とし、伊勢ケ浜親方には「暴力の常習性はなく、本件は単発的なもの」などとし、自発的に報告したことや真摯に反省していることなど斟酌すべき事情を併せて考慮して処分内容を答申したとした。
