高木美帆が引退会見「スピードスケートとの時間はなくなることはない」 決断から1カ月「競技に復活したい気持ちは今のところない」
夏季を含めて日本女子最多の五輪メダル通算10個を誇るスピードスケート女子の高木美帆(31)=TOKIOインカラミ=が6日、都内で現役引退会見に臨んだ。「引退することを決意して、この場に挑んでいます。私が引退を決断した時から本日まで約1カ月ちょっと。その中で自分の競技に対する復活したい気持ちは今のところない」と語った。
世界選手権(3月、ヘーレンフェイン)のオールラウンド部門を最後に現役生活を終えた。引退の決め手について、「大きな出来事があったり、そういうタイミングがあったわけではない」という。2月のミラノ・コルティナ五輪を終え、「自分が憧れたアスリート像をこの先4年間全うするということは、もうこの1年間も含めて難しいのかなとなった時に、そこを超えてまでまた頑張りたいという気持ちがないことを考えると、という風に順を追って考えた」と説明。「今このタイミングで引退することを決断したというより、受け入れたという感じ」と語った。
競技から離れることに「ぽっかり穴が開いたというようなことは感じていない」と大きな喪失感はない。ともに戦ってきたスケート靴を見て、「この靴に足を入れた瞬間を味わうことがないんだなと思うと、本当に引退したんだなと実感が湧く」と、ふと寂しさを感じる時もあるというが「これからの人生にも、今までともに歩んできたスピードスケートとの時間はなくなることはないんだろうなと、どこかで感じられている」。人生をつくり上げてきたスピードスケートが高木の中から消えることはない。
今後の活動については未定だというが「私の中で、いくつか現役の頃から興味を持っていることがある。その分野に対して、今は知識だったり、自分の経験から自分なりの考えを見つけていきたい」という。2つの分野に関心があるとし、ひとつは「脳と体の関係」。もうひとつは、「あとはそれに付随して、運動が脳にあたえる影響も研究結果で出ていると知って、親世代の健康だったり、そういったものにも興味関心を持っている」と、いかにも“求道者”らしかった。「ざっくりではあるが、人の健康寿命だったりとか、思考に感することやノウハウを広める活動ができたらおもしろいのかな」と語り、スピードスケート一筋だったこれまでから、新たなフィールドへ足を踏み出そうとしている。
高木は2010年に15歳でバンクーバー五輪に出場。帯広南商高から日体大に進学した。14年ソチ五輪の出場は逃し田が、18年平昌五輪では団体追い抜きで金メダル、22年北京五輪では1000メートルで金メダルを獲得するなど冬季の日本勢で大会最多となる4個を加えた。
集大成となったミラノ・コルティナ五輪では3つの銅メダルを獲得した。日本女子では夏季を含めて最多、男子を含めて歴代3位となる五輪通算10個のメダルを手にした。しかし、世界記録を持つ本命の1500メートルは6位だった。現役ラストレースだった世界選手権オールラウンド部門は総合3位で締めくくった。
