一山本 亡き先代師匠・元若嶋津の日高六男さんに感謝 三役昇進誓う 町役場勤務経て23歳角界入り「入門は師匠のおかげ」
「大相撲春場所・9日目」(16日、エディオンアリーナ大阪)
15日に肺炎のため69歳で死去した、元大関若嶋津の日高六男さんを先代師匠に持つ一山本は、伯乃富士に上手ひねりで転がされ、4勝5敗と黒星が先行。それでも日高さんへの感謝とともに新三役昇進を誓った。横綱豊昇龍は1敗だった隆の勝を寄り切り2敗を守った。大関安青錦は関脇高安を押し出し、連敗を3で止め4勝目。琴桜は王鵬を押し出し5勝目。関脇霧島、平幕の琴勝峰と豪ノ山が1敗を守り、勝ち越しを決めた。
悲しみを押し殺すように、普段と変わらない表情で一山本は言葉を紡いだ。訃報は前日の取組後に伝えられた。「信じられなかったですね」と語り「僕が入門して半年で倒れられた。その前はあまり知らないが、寡黙でも稽古場にいれば引き締まる。一言に重みがあった」と、先代師匠の日高さんについて語った。
訃報から一夜明けた伯乃富士戦。「土俵では関係ない。自分の相撲を取るだけ」と臨んだが、左四つがっぷりの展開に。左右に揺さぶられながらこらえ、懸命に前に出たが上手ひねりで敗れた。「相手の形になってしまった」と悔しがった。
一山本は中大卒業後、故郷北海道の福島町役場に就職した。“脱サラ”して年齢制限緩和第1号として二所ノ関部屋(現放駒部屋)に入門。17年初場所は23歳で初土俵を踏んだ。先代は同年10月に倒れ、一時は意識不明の重体から地道なリハビリを重ねた。
19年夏場所後の新十両会見では、復帰した先代が同席し、三役昇進を期待された。一山本は「会見を一緒にできた。入門は(先代)師匠のおかげ。23歳で実績のない僕を拾ってもらった。ありがとうございます」と感謝を口にした。
一山本の自己最高位は東前頭筆頭で、三役目前まで迫った。天国に向け「僕はまだまだ頑張ります。応援よろしくお願いします。会見で三役のことを言ってもらったので、それを目指して土俵に上がります」と誓った。先代への思いを胸に戦っていく。





