男子500メートル・新濱立也 2度目五輪確実 大ケガ乗り越え2位「つらくなかった時期なかった」 妻・吉田夕に「少しは恩返し」

 レースを終え雄叫びを上げる新濱立也
 男子500メートルで優勝し笑顔の森重航(中央)、2位の新濱立也(左)、3位の倉坪克拓
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 「スピードスケート・全日本選手権」(26日、長野市エムウェーブ)

 男子500メートルで、新濱立也(29)=高崎健康福祉大職=が34秒40で2位に入り、2度目の五輪代表を確実にした。森重航(オカモトグループ)が34秒36の国内最高記録で初優勝し、2度目の代表を手中に収めた。2人は日本連盟が設定した派遣標準記録の最高位「SS」の34秒51を上回った。女子500メートルは既に代表確実の吉田雪乃(寿広)が37秒36の大会新記録で初優勝。高木美帆(TOKIOインカラミ)は37秒60の2位で出場権獲得を有力にした。高木はW杯の結果で日本連盟の基準を満たし、1000メートルと1500メートルで代表入りを決めている。

 立ちはだかる壁を打破し、最高のガッツポーズが飛び出した。新濱が2大会連続の五輪切符を確実にし、喜びを爆発させた。

 「4月の交通事故から始まって、つらくなかった時期はなかった。結果につなげられたことに一安心している」

 力いっぱいスタートを切り、スピードを落とさなかった。ゴールを越えると、すぐに好タイムを確信。「試練をなんとか乗り切れた」と胸をなで下ろした。

 困難続きのシーズンだった。4月に沖縄・石垣島での合宿中に顔面を骨折する大けが。勝負の五輪シーズンに後れを取った。さらに、今大会の直前に今季使用してきたブレード(刃)が割れるアクシデントもあり「絶望的だった」と語る。

 支えてくれたのはカーリング女子ロコ・ソラーレの妻、吉田夕梨花だった。この日も会場に駆けつけ「常に前向きにさせてくれる」という頼もしい存在。9月のカーリング五輪最終予選代表決定戦で敗れた吉田に「ミラノの舞台は託したよ」と言われていた。妻の前で結果を残し「少しは恩返しできたかな」と照れくさそうに笑った。

 北京五輪は20位だった500メートル。悔しい思いをして4年。紆余(うよ)曲折を経てたどり着いた大舞台へ「誰よりも強い気持ちを持って、誰よりもつらい時期を過ごしてきた。自分のできる最大限の準備をした上で、自分らしい滑りをして結果を残した」。吉田の思いも背負い、思い切り臨む。

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