涙の5連覇で3度目五輪の坂本花織 中野園子コーチと4歳から二人三脚、ビシバシ指導の中にもエモい瞬間 2人で最高到達点へ

 演技を終えた坂本花織(撮影・石井剣太郎)
 涙を流す坂本花織(撮影・石井剣太郎)
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 「フィギュアスケート・全日本選手権」(21日、国立代々木競技場)

 女子は今季限りで引退する坂本花織(25)=シスメックス=がショートプログラム(SP)に続き、フリーでも1位となり、合計234・36点で史上5人目の5連覇を達成。来年2月に行われるミラノ・コルティナ冬季五輪の代表に決まった。五輪は18年平昌(6位)、22年北京(銅メダル)に続き3大会連続3度目の出場。ミラノの地で有終の美を飾る。

  ◇  ◇

 坂本は中野園子コーチと二人三脚で歩んできた。4歳から、ビシバシと指導を受けてきた坂本は今季限りでの引退を決めたが、練習では「普通ですね。いつも通り。めっちゃしごかれてます」と、笑い飛ばした。

 “エモい”瞬間もある。「『こんな追い込んで苦しいとか言ってられるのも最後よ!』とか言われて。でも、『ふとした瞬間にこういうのもきっと思い出すやろうね』みたいな話とか」。厳しくゲキを飛ばされ、時に励まされ。21年間を振り返れば、数え切れない思い出がある。

 中野コーチの行動の裏には、いつも意味があった。坂本が「道理で!」と目を丸くするのは、今季に入ってあまり怒られなくなったこと。それは、自分で感じて考えてほしいというメッセージ。「あきれられたのかな…」と冗談を飛ばしつつ「とにかく頑張らないといけない」と見えない“喝”を力に変えた。

 この日、中野コーチには「花織がここでやらないと、日本が大変なことになるから!あんたがここでしっかりやらないとダメなのよ」と言われ送り出された。会心の演技には、「120点。わたしにはできません」と中野コーチ。ミラノ五輪へ。2人で最高到達点へ向かう。(デイリースポーツ・南 香穂)

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