坂本花織 貫禄のSP首位!「珍しく試合が楽しかった」 勝って決めるラストシーズン五輪「あとはやり切るしかない」

 女子SPで演技を終え拳を握る坂本花織
 さっそうと舞う坂本花織(撮影・石井剣太郎)
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 「フィギュアスケート・全日本選手権」(19日、国立代々木競技場)

 女子SPは5連覇を目指す坂本花織(25)=シスメックス=が79・43点で首位に立った。ジュニアで代表資格がない17歳の島田麻央(木下グループ)が0・10点差の2位。GPファイナルで2位に入った中井亜美(TOKIOインカラミ)は77・50点の3位で、千葉百音(木下グループ)が4位。男子SPは2連覇を狙う鍵山優真(22)=オリエンタルバイオ・中京大=が104・27点でトップ。三浦佳生(20)=オリエンタルバイオ・明大=が95・65点で2位につけた。各3枠の男女代表は最終日の21日に発表される。

 オレンジ色に染まった観客席に囲まれ、高く掲げた左手をぐっと握った。坂本が島田を0・10点差でかわし、国際スケート連盟(ISU)非公認ながら今季世界最高得点で首位発進。「今までになく、いい緊張感でできた。自信を持って滑れたので、珍しく試合が楽しかった」。優勝での五輪代表即内定へ視界良好だ。

 現役ラストシーズンに初めて作ったオレンジ色のバナータオルでいっぱいの会場で、笑顔で滑り切った。中野コーチには「『これで最後の全日本。花織らしい演技をしてきなさい』と言われた」と明かし、思わず涙が出そうになったというが、懸命にこらえ、全てのジャンプで着氷。「ほとんどノーミスで加点がついたのはすごく良かった」と笑顔でうなずいた。

 東京・表参道駅構内には、ファンへの感謝をつづった“決意の手紙”が掲出されている。8回も書き直したという直筆のメッセージ。「1人だったら、こんないい景色も見られなかった。感謝を伝えたいと思って書いた」。今季限りでの現役引退を表明した坂本にとっては、これが最後の国内大会。ありったけの思いを乗せて滑った。

 21日のフリーでは、大好きなスケートへの愛を込め『愛の讃歌』を演じる。「あとはやり切るしかない。自分を信じてあげることしかできない。裏切らないように頑張りたい」。5連覇を果たし、ミラノへの道を自らの手で切り開く。

 ◇坂本花織(さかもと・かおり)2000年4月9日、神戸市出身。4歳でフィギュアスケートを始めた。神戸野田高を経て、神戸学院大経営学部卒。16年全日本ジュニア選手権で初優勝し、17年世界ジュニア選手権は銅メダル。全日本選手権は18年に初優勝し、21年から4連覇中。五輪は18年平昌6位、22年北京は銅メダル、団体は銀。GPファイナルは23年に優勝。世界選手権は22年から3連覇し、25年は2位。159センチ。

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