“パティシエールスケーター”長森遥南 涙の3冠で初五輪 神戸出身「アンリ・シャルパンティエ」勤務 高校まではゴルフと二刀流

 女子1000メートルを制した長森(右)=撮影・開出牧
 総合優勝し喜ぶ長森遥南
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 「スピードスケート・ショートトラック・全日本選手権」(14日、東京辰巳アイスアリーナ)

 ミラノ・コルティナ五輪代表最終選考会を兼ねて行われた。女子1000メートルでは、長森遥南(はるな、23)=アンリ・シャルパンティエ=が1分34秒738で制し、13日の500メートル、1500メートルに続いて18年ぶりの3冠を達成。残り2枠だった五輪代表に滑り込んだ。日本スケート連盟は五輪の男子4人、女子5人の代表を発表した。

 異色の経歴を持つ23歳が五輪代表に滑り込んだ。長森はラスト2周からスパートを仕掛け、混戦のレースを抜け出してゴール。500メートル、1500メートルに続いて1000メートルも制する3冠の猛アピールで初の五輪切符をつかむと、涙を流しながら「この場に立っている実感が湧かない。いろんな思いがある」と歓喜に浸った。

 幼稚園の卒園旅行をきっかけにスケートを初体験し、小学1年時に神戸市内で行われていたスケート教室に参加した。両親は「(フィギュアスケートの)浅田真央さんのようになってほしい」と願ったが、その教室の講師がまさかのスピードスケートのコーチ。熱心な勧誘を受け、自然と速さを求める競技に進んだ。

 「石川遼君が活躍していて、ジュニア育成に力を入れていて無料で打てる環境が整っていた」と同時期にゴルフも開始した。ベストスコア68の腕前を誇っていたが、高校時代に受けたプロテストに落ちたことをきっかけに、卒業後はスピードスケート一本に絞った。

 今春からは洋菓子ブランド「アンリ・シャルパンティエ」で仕事をしながら、競技を継続。現在はプティ・ガトーと呼ばれるフィナンシェ作りを担当しているという。

 夢舞台への切符をつかんだ“パティシエールスケーター”。五輪ではリレー種目でメダルを狙いにいく。「スケートに専念してよかった。ゴルフで鍛えた(筋力で)プッシュを頑張りたい」。経験してきた全ての経験を大舞台で発揮する。

 ◇長森 遥南(ながもり・はるな)2002年4月25日、神戸市出身。小学2年からスピードスケートとゴルフを並行して始め、親和女子高在学時に受けたゴルフのプロテスト不合格を期に、関学大からスピードスケート一本に絞る。25年2月のアジア大会ではショートトラック1500メートル6位、3000メートルリレーで銅メダルを獲得。ゴルフのベストスコアは68で、岩井姉妹の妹・千怜と交流がある。今春から洋菓子ブランドのアンリ・シャルパンティエに所属する。155センチ。

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