日本代表・フォルティウス カーリング女子8大会連続五輪決めた ノルウェー相手に雪辱 吉村らチーム全員涙
「カーリング女子・ミラノ・コルティナ五輪世界最終予選、日本6-5ノルウェー」(10日、ケロウナ)
男女の決定戦が行われ、女子のプレーオフ(PO)で1次リーグ2位通過の日本のフォルティウスは、1位通過のノルウェーを6-5で撃破し、悲願の五輪出場権を獲得した。日本女子としては種目が初採用された1998年長野五輪から8大会連続となった。男子の1次リーグ最終戦は日本のSC軽井沢クが中国を9-6で破り、5勝2敗の3位でPO進出を決めた。1枠目を懸けたPOでは2位米国が1位中国に9-4で勝ち、五輪出場権を得た。日本は11日午後3時(日本時間12日午前8時)から、中国と最後の1枠を争う。
氷上で抱き合う5人だけじゃない。コーチを含めて全員の涙が止まらなかった。日本のフォルティウスが、1次リーグで唯一の黒星を喫していたノルウェーに競り勝ち、五輪出場権を獲得。学生時代から数えて5度目の夢舞台の挑戦で初めて切符をつかんだスキップ吉村紗也香(33)は、「このメンバーで勝ち取ることができて、ものすごくうれしい」と目を赤くして歓喜に浸った。
チーム一丸で乗り越えた。3月の世界選手権で敗れた米国との初戦を制して好発進を決めると、そこから無傷6連勝。大会中盤にサード小野寺佳歩が腰痛を発症するアクシデントはあったが、フィフスで最年少23歳の小林未奈が、“代打”で活躍して穴を埋めた。
ノルウェーとの決定戦は、第9エンド終了時点で5-5と両チームの力が拮抗する展開。最終第10エンドでリード近江谷杏菜が石を配置し、セカンド小谷優奈と小野寺が相手の石をはじいてエースに託す。最後は吉村がドローショットを決めると、重圧のかかった相手の最終投が円の中心の手前で止まり勝負が決まった。吉村は「総力戦でつかみ取った勝利」と実感を込めた。
ロコ・ソラーレに3連敗を喫した21年9月の北京五輪代表候補決定戦から4年。北海道銀行とのスポンサー契約が終了し、支援先と安定した練習環境を探す状況から再スタートして、ここまでたどり着いた。吉村は言う。「つらい時期を乗り越えて、4年間かけて準備してきた。五輪では目標の金メダルに向かって準備していきたい」。勝利時に見せた弓を放つセレブレーションは、五輪の競技会場があるコルティナの方角を狙ったもの。矢は表彰台の一番上を射抜いている。
◇小林 未奈(こばやし・みな)2002年7月20日、北海道出身。控えのフィフス。20年ユース五輪混合団体2位。北海道・札幌東高出。163センチ。
◇小谷 優奈(こたに・ゆうな)1998年5月26日、神奈川県出身。的確なショットを放つセカンド。22年に富士急から加入。神奈川・海老名高出。166センチ。
◇吉村 紗也香(よしむら・さやか)1992年1月30日、北海道出身。司令塔のスキップ。13年世界ジュニア選手権3位。23年12月に第1子出産。北海道・常呂高、札幌国際大出。162センチ。
◇近江谷 杏菜(おおみや・あんな)1989年10月12日、北海道出身。経験豊富なリード。10年バンクーバー五輪代表。北海道・網走南ケ丘高出。166センチ。
◇小野寺 佳歩(おのでら・かほ)1991年11月11日、北海道出身。スイープが持ち味のサード。14年ソチ五輪代表。常呂高、中京大出。165センチ。





