涙の五輪切符獲得の日本女子代表フォルティウス 5度目の挑戦で悲願叶えた吉村紗也香「総力戦で掴みとった勝利」「五輪に向けて一段と強く」【メンバー喜びのコメント一覧】
「カーリング女子・ミラノ・コルティナ五輪世界最終予選、日本6-5ノルウェー」(10日、ケロウナ)
女子の決定戦が行われた。1次リーグを2位通過した日本代表のフォルティウスは、同1位のノルウェーを6-5で撃破。日本女子として8大会連続となるミラノ・コルティナ五輪への出場権を獲得した。
五輪切符をかけた戦い。両リームほころびを許さずに交互に点を取り合う展開が続き、第7エンド終えて4-4と拮抗した。第8エンドでスチール(先行が得点すること)を許すピンチを背負ったが、サード小野寺佳步からスキップ吉村紗也香までドローショットを決め、切り抜ける。第9エンドも吉村が好ショットを沈め、相手の得点を1点にとどめ、5-5で最終エンドを迎えた。
リード近江谷杏菜が石を中央に配置。セカンド小谷優奈、小野寺が相手のガードストーンをはじき飛ばし、全員で吉村につなぐ。最後はノルウェーが失投し、勝負が決まった。五輪が決まると5人全員で泣きながら抱き合い、アイスの上で歓喜。「フォー!」と叫んで実感を込めた。
今大会の日本は、世界選手権で敗れた米国に勝利するなど開幕から6連勝。第7戦でノルウェーに初黒星を喫したが、迎えたこの決定戦でリベンジし、悲願の五輪出場を決めた。
インタビューで吉村は5度目の挑戦で悲願に切符を手にし「物凄くうれしいです。このメンバーで五輪出場権を勝ち取ることができて、うれしい気持ちです。準備してきたことがしっかり出せていた大会。総力戦で掴みとった勝利だった。攻めの姿勢を持ちながらやりたいと思っていた」と晴れ晴れとした表情で振り返り、「この4年間、色んなことがあった。つらい時期だったり、本当にこのメンバーで味わいながら乗り越えてきた。五輪に行くぞという気持ちを持ち続けてこの4年間駆けてきた。やっと五輪の舞台に立てる喜びあるが、金メダルに向けて準備してきたい。また五輪に向けて一段と強くなった姿をみせたい」と、夢舞台を見据えた。
10年バンクーバー五輪以来16年ぶりの五輪となるリードの近江谷杏菜は「感無量。記憶があんまりないですけど、フレッシュな気持ちで臨みたい。プレーヤーとして成長した姿で臨める」と笑顔。セカンドの小谷優奈は「まだ実感湧いてない。チームの目標である金メダル、やっとスタートラインに立てた」も声を弾ませた。今大会腰の痛みで欠場する試合もあったサードの小野寺佳歩は14年ソチ五輪以来12年ぶりの夢舞台。「長い月日です。でも五輪の記憶は鮮明に残っている。私自身のプレーはその頃は良くなかったが素晴らしい舞台。最高のメンバーとまた五輪に出られる。最高の気持ちです。さや(吉村)には絶対一緒に五輪に出たいと思っていた。本当にうれしい。やっとスタートライン。最高のメンバーで金メダルを目指して頑張っていきたい」と涙ながらに語った。
今大会緊急出場で好プレーをみせたフィフスの小林未奈は「全ショットに魂がこもっていた。コーチ席でも感動して涙が出そうになった。五輪ですね?小さい頃から夢にみていた舞台。このチームで戦えるのがうれしい」とうなずいた。
本大会は日本に、すでに出場を決めていたイタリア、カナダ、スイス、韓国、スウェーデン、デンマーク、スコットランド、中国、明日の決定戦ノルウェー-米国の勝者を加えた10チームで争う。日本は18年平昌五輪銅メダル、22年北京五輪銀メダルのロコ・ソラーレに続く3大会連続のメダルを狙う。
◆フォルティウス 北海道札幌市を拠点に、2011年4月にチームが結成された。13年五輪世界最終予選を勝ち抜き、14年ソチ五輪に出場。日本選手権は15年、21年、25年大会を制した。チーム名はラテン語で「より強く」を意味する。11~21年は北海道銀行がスポンサーを務めた。ロゴは緑、青、白の3色を使用した四つ葉のクローバーがモチーフ。それぞれ豊かな木々、大いなる海、そして雪の北海道の大自然を表している。





