「りくりゅう」 堂々SP首位発進!ペア結成の思い出の名古屋で魅せた 三浦「私たちらしい滑りができた」
「フィギュアスケート・GPファイナル」(4日、IGアリーナ)
ペアで3年ぶり2度目の優勝を目指す三浦璃来(23)、木原龍一(33)組=木下グループ=がSP77・32点で首位に立った。2位とは0・10点差。来年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪の前哨戦で、GPシリーズ総合上位6人、6組で争う。日本開催は8年ぶり6度目。五輪代表は19~21日の全日本選手権(東京)で決まる。
最後の決めポーズで、満面の笑みがこぼれた。“りくりゅう”がわずか0・1点差で2位のイタリアペアをかわして首位発進。三浦は「久しぶりの日本での試合。私たちらしい滑りができた」、木原も「すごく安心して落ち着いていた」と笑顔で顔を見合わせた。
圧巻の高さで決めた3回転ツイストで上々の滑り出し。その後のジャンプもしっかりまとめた。シリーズ第5戦・スケートアメリカ後から「目が回っちゃうくらい」練習したというスピンやステップも全て最高評価のレベル4。三浦は「取れるところは全て取れていた」とうなずいた。
IGアリーナがある名古屋は木原の地元でもあり、2人がペアを組んだ際にトライアウトを行った思い出の場所でもある。三浦は「結成した地でもある名古屋で滑らせていただくことは幸せ」。足を運んでくれた観客へ、感謝の舞にもなった。
昨季の同大会では、フリー前の公式練習で三浦が負傷。試合でも実力を出せず、木原は「ケガの動揺もあって、焦りもあった」という。その反省を生かし、今季は絶好調。「その経験があったからこそ余裕が持てている」と失敗が許されない五輪シーズンで、万全の状態に持ってきている。
3年ぶり2度目の制覇へ、5日には勝負のフリーが待つ。勝てば、ミラノ・コルティナ五輪へ大きな弾み。「自信をつけられる練習をしてきた。してきたことを発揮したい」と木原。渾身(こんしん)の演技で名古屋を魅了する。
◆ミラノ・コルティナ五輪代表選考 各3枠の男子と女子は全日本選手権の優勝者が自動的に代表入り。2人目は全日本2、3位やGPファイナルの日本勢上位2人、全日本終了時点で国際スケート連盟(ISU)公認のシーズン最高得点の上位3人から選ぶ。3人目は全日本終了時の世界ランキングや日本スケート連盟独自の国際大会ポイント上位3人などを選考対象に加える。2枠のペアは全日本1、2位と全日本終了時の世界ランキング、シーズン最高得点の最上位から総合的な判断で選出。ファイナル後に日本の五輪団体出場が決まった場合、アイスダンスはペアと同じ基準を適用する。
◆GPファイナル 1995~96年シーズンに始まったGPシリーズで、全6大会(今年はフランス、中国、カナダ、日本、アメリカ、フィンランド)のうち出場2戦の総合成績上位6人、6組で争う。日本開催は2017年名古屋大会以来、8年ぶり6度目。日本勢の最多優勝は男子で2013年から4連覇した羽生結弦と、女子を05、08、12~13年と4度制した浅田真央。22年は男子の宇野昌磨、女子の三原舞依(シスメックス)、ペア三浦、木原組が頂点に立ち、日本初の3種目制覇を果たした。





