安青錦 ウクライナ出身初のV残った 豊昇龍撃破で大の里と3敗3人 審判部も動いた!優勝なら史上最速の大関誕生も
「大相撲九州場所・14日目」(22日、福岡国際センター)
新関脇安青錦は1差で追う横綱豊昇龍を一方的に押し出し、3敗を守った。横綱大の里は大関琴桜に寄り切られ3敗目。賜杯争いで両横綱と安青錦がトップに並んで千秋楽を迎える。安青錦が琴桜に勝てば、両横綱による結びの勝者との決定戦に臨む。初優勝ならウクライナ出身で初、歴代4人目となる新関脇での栄冠。史上最速での大関昇進も視界に捉えた。
偉業の扉に手をかけた。安青錦が対豊昇龍で無傷3連勝。大の里も敗れ、賜杯争いトップに並んだ。初優勝が懸かる千秋楽の琴桜戦を「あまり意識せず、いつも通りやりたい」と見据えた。
中途半端な立ち合いの豊昇龍をおっつけで崩し、左まわし右のど輪の形で一気に押し出した。「自分らしく下から当たって前に攻められた」とうなずく完勝。直前に大の里が敗れたが「特に意識していない」と集中し、前日の大の里戦黒星も「負けることはよくあること。切り替えられた」と落ち着いていた。
九重審判長(元大関千代大海)は「横綱(豊昇龍)を得意としているのがすごい。下から引かせようとして、引いた瞬間、一気に勝負に出た」と評価。千秋楽に審判部が安青錦の大関昇進に関する会議開催を決め「そこまで盛り上がってきたということ。この3場所、大事な場面でメッキが剝がれない」と語った。
大関昇進の目安は「三役で3場所合計33勝」とされ、安青錦は先場所が新小結。だが過去に照ノ富士ら起点が平幕の例があり、優勝なら昇進は確実だろう。初土俵から所要14場所は、年6場所制が定着した1958年以降1位(付け出し除く)の琴欧州の同19場所を大幅に上回る。
優勝ならウクライナ出身初。新関脇では清水川、双葉山、若隆景以来4人目。付け人と談笑しながら引き揚げた安青錦に、偉業達成の雰囲気が漂ってきた。





