大の里 安青錦との2敗対決制した!先に膝ついたように見えるも物言いなし 高田川審判長「きわどいと思わない」と断言
「大相撲九州場所・13日目」(21日、福岡国際センター)
横綱大の里が新関脇安青錦との2敗対決を寄り切りで制した。自身の膝が付くのと、相手が土俵を割る勝敗を分けるタイミングは際どかったが、物言いはつかなかった。横綱豊昇龍は大関琴桜を寄り切って2敗を守った。両横綱が残り2日で首位を並走する。優勝争いは、唯一3敗の安青錦を含む3人に絞られた。
大の里には手応えがあった。「体を寄せたので前に出ていった。勝ちの自信は少しあった」。微妙なタイミングを意に介さず、再び安青錦の壁となった。
立ち合いはもろ手で突き放し「うまく入れた」と右をのぞかせて一気に前に出た。左上手を許して投げを打たれるも、構わず前に。自身の左膝が、相手の両足が土俵外に着地するより、早く付いたように見えた。軍配は大の里。物言いはつかず、小さなどよめきが起こった。
過去2度の対戦は、馬力で圧倒して完勝。この日は仕切りで先に手をつかれ、左上手で投げを打たれたが「相手も考えてきている。しっかり対応できた」と冷静に語った。
高田川審判長(元関脇安芸乃島)は、物言いを「つけようがない。もう飛んでいるし、吹っ飛ばしている。きわどいと思わない」と断言。「大の里は安青錦がしぶとい力士だと認めているから、一気に勝負している。普通なら見て大事に取る」と評価した。安青錦も取組後は敗戦を認めた。
11日目。足を滑らせ隆の勝に引き落とされて連敗したが、支度部屋ではいつになく穏やかな表情だった。この日に「2回負けているので、欲を出さず今日の一番に集中した」と話したように、苦境を前向きに吹っ切った。
二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は弟子への助言を問われ「勝つこと」とシンプルに言及。豊昇龍と並ぶ賜杯争いは残り2日。和製力士では1996年の貴乃花以来、29年ぶり年4度の優勝を狙う大の里。師匠に呼応するように「しっかり集中したい」とシンプルに意気込んだ。





